バリアフリー通信第4号 2002.2 メディアテークが開館して1年になりました  「せんだいメディアテーク」はみなさんにとってどんなところですか?  初めは「定禅寺通になんかヘンな建物ができたよ」だったかもしれません。 「一度行ってみようか」から「○○をしに行こう」という場所になったでしょうか?  私たち職員にとっても手さぐりの1年でしたが、魅力あるものを提供できるよう決意を新た にしております。  さて、今回のバリアフリー通信はバリアフリー企画として開催した映画上映の特集をお届けします。 音声解説付き映画 「ザ・カップ」上映報告 普段洋画を見る機会の少ない目の不自由な方にも楽しんでいただけるように、12月16日(日曜日)に音声解説付き映画「ザ・カップ~夢のアンテナ~」を上映しました。音声解説付き映画の上映は、前年の2月に引き続き二度目の上映でした。  こうした映画についてさまざまなかたに知っていただくため、前回の上映と同様、解説の音声は会場全体に流して、来場されたすべてのかたに聞いていただきました。音声解説付きの映画は初めて、というかたが ほとんどで、目の不自由なかたからは、「わかりやすかった」、という感想を多くいただきましたが、 「もう少し詳細に」との意見などもあり、音声解説の方法についていろいろと考えさせられるものが ありました。晴眼者のかたからは「初めてこういう映画があることを知った」、「意外に違和感がなく、 楽しめた」等の感想を多くいただきました。   今回ご来場いただけなかったかたで「ザ・カップ」に興味のあるかたは、音声解説付きでDVDが 出ていますので、そちらをご利用下さい。レンタルビデオ店でも既に貸し出しをしています。 レンタルビデオ店の中には、DVDプレーヤのレンタルを行っているところもありますので、ご自宅に プレーヤがない場合でもレンタルで楽しめる場合があります。  「ザ・カップ」以外にも、スティーブン・キング原作の「グリーンマイル」や、目の不自由な少年と その父親の葛藤を描いた「太陽はぼくの瞳」などの洋画2本が音声解説付きDVDで出ています。  メディアテークでは、今後もこうした映画を上映していく予定です。音声解説を付けて制作している 映画は現在ほとんどありませんが、ボランティアの協力を得て、一般の映画に音声解説を付けて上映して いくことも検討しています。さまざまなかたが共に楽しめる、映画上映をしていければと思います。                                 バリアフリー担当  瀬川こずえ ~言葉の壁を越えて~ 日本語字幕入り映画「ホタル」上映報告  普段邦画を観る機会の少ない耳の不自由な方にも楽しんでいただけるように、10月14日(日曜日)に 日本語字幕入り映画「ホタル」を上映しました。  高倉健主演のこの作品は、余命いくばくもない妻・山岡知子と鹿児島で暮らす特攻隊の生き残り・秀治が 昭和という激動の時代が終わり、いつしか男として、夫として、二十世紀を生き抜いた人として、ある ひとつの決意が芽生えていくストーリーです。  邦画の字幕入り映画上映は昨年3月に行われた自作字幕入り映画「しあわせ家族計画」に続き2回目と なりました。前回は要約筆記通訳「せんだい」の方々にご協力いただき、字幕の入っていないフィルムに 後から字幕を挿入する方法で上映しましたが、今回は最初からフィルムに字幕が入っているものを上映 しました。さまざまな音・・・例えばドアの開く音では、字幕の前に扉のイラストが入っていたり、 その他にもいろいろな音の字幕がイラストと一緒になっていて、目で見てわかりやすいように工夫されて いました。  終了後のアンケートでは、「字幕が付いているお陰で数年ぶりに邦画を観られた」という感想を書かれた 耳の不自由なかたや、「聞き逃したセリフを字幕で確認できて良い」「最初は気になったが、そのうち全然 気にならなくなった」と言った健聴のかたなど、おおむねご好評いただきました。その一方で、字幕と画面のタイミングが合わずに気になったり、早口で話す場面になると字幕を読むのが追いつかなくて困ったかたも いたようです。  最近はDVDやビデオでも日本語字幕入りの作品が増えてきていますが、大画面で観る迫力はご家庭の テレビでは味わえないものです。これからも日本語字幕入りの上映をしていくことで、耳の不自由なかたに 映画を楽しんでいただける機会を増やすことはもちろん、字幕を必要とされないかたにも日本語字幕の 重要性を知っていただけるような場になればと思います。                                バリアフリー担当  新妻利恵 てえく寄席「手話落語・奇術公演」  メディアテークでは耳の不自由な方にも落語を楽しんでいただけるように、「手話落語・奇術公演」を 開催します。  開館記念イベントの高座でも好評だった、林家とんでん平(へい)さんの手話落語と松旭斎静花さんの奇術を お楽しみいただけます。なお、奇術と落語には手話通訳がつきます。 日時:2月17日 日曜日 14時から15時30分 場所:せんだいメディアテーク7階スタジオシアター 料金:一律500円  (当日券のみ。会場でお求めください。)  ※赤外線音声補助装置貸出しサービス(20台)があります。 また、会場 には、お持ちの補聴器をとおして音声が聞 きやすくなる磁気ループも設置してあります。 ※託児つきです。ご希望の方はお問合せください。 スタジオアプリケーションツアー プログラムD「画面の文字を音できく」  スタジオアプリケーションツアーは、メディアテークのスタジオの仕組みと機器の操作方法について学ぶ プログラムです。  3月に行われるプログラムDでは音声読み上げソフト(2000Reader、ホームページリーダー)とは、 どのようなものなのか、を簡単に紹介します。 日時:3月23日 土曜日 14時から16時30分 場所:せんだいメディアテーク7階スタジオ 定員:10名 料金:無料です。 申込方法:2月23日から3月13日までの期間で、メールか往復葉書、電話かFAXでイベント名、      希望日、名前、住所、電話番号、年齢を書いてお申込ください。      応募多数の場合は抽選となります。