バリアフリー通信 第12号(2003.6) ■イベント案内 smtサマーミュージアム 夏休みのメディアテークを舞台に、子どもも大人も触れて、感じて、考えて楽しめるさまざまなイベントを行います。ワークショップを行うごとに展示が増えていきます。 「メビウスの卵 2003 仙台展」 見たことのない光,聞いたことのない音,さわったことのない形。メビウスの卵は科学とアートが創りだす不思議で楽しい,誰もが参加できる体験型の展覧会です。 「街をつたえるワークショップ展」 "街をつたえる"ワークショップで制作した作品を、ワークショップの映像とともに展示。 「クリケットワークショップ」 小さなコンピューター「クリケット」を動かして、色々な道具をつないで、動く作品を作るワークショップ。 「アニメ制作ワークショップ」 メディアテクノロジーを使って、子供から大人まで、気軽にコマ撮りアニメを制作体験することが出来ます。 その他、関連ワークショップ、関連イベントも開催します。 ワークショップの日程、お申し込みは、別途お問い合わせ下さい。 ●日時:7月27日日曜日~8月17日 日曜日    10時00分~19時00分(入場は18時30分まで) ●場所:6階ギャラリー ●料金:一般400円  大高生300円 小中生200円   乳児、未就学児無料。ただし、保護者同伴でなければ入場不可。 豊齢手帳・身体障害者手帳などをお持ちの方は半額。その他各種割引あり。 ■事業記録 1.目の不自由なかたのパソコン入門講座 5月31日、6月1日、7日、8日の4日間、いずれも午後2時から5時までの日程で、メディアテーク7階スタジオbにて「目の不自由なかたの音声読み上げパソコン入門講座」を行いました。今回は同時にパソコン操作補助のボランティアを養成する講座も行われ、参加者は入門講座が5名、養成講座が7名、そして講師やサポート、見学者などを含めると総勢20名を越すにぎやかな講座となりました。 初めはみなさん慣れないパソコン操作に緊張しながら悪戦苦闘の様子でしたが、講座が進むにつれて緊張も解け、和やかな雰囲気のなか楽しそうに受講していました。メールの操作では「パソコンは難しいですね」「一緒にがんばりましょう」など、感想を送りあう受講者の姿も見られました。またインターネットでは、その日のニュースやお店の情報などそれぞれ興味のあるホームページを閲覧し、趣味の話に花が咲く場面もありました。 こうして4日間の講座を終え、笑顔でメディアテークを後にするみなさんの後ろ姿を見送りながら、今後もこうした活動をより良い形で継続していきたいと改めて思いました。 今回のボランティア講座を受講した方々が、新しくパソコン操作補助ボランティアとして活動します。パソコンに興味のある方は10日~1週間前にお電話でご連絡いただければ調整のうえ、操作のお手伝いをいたします。 2.音声解説付き映画『風花』上映報告 5月25日日曜日、『風花』の上映が行われました。今回の上映では、昨年11月末の音声解説制作ワークショップに参加、ワークショップ終了後も継続して活動してきた8名のボランティアの方々が、解説を制作しました。当日解説を利用された方の感想や、ボランティアの方々の感想をお伝えします。 当日解説を利用された方(アンケートより) 20代女性 上映された映画に出てきた景色や室内に置かれた物の具体的な説明の場を設けてほしい。中途失明の方にはわかる事でも想像できない事がある。例えばミラーボールとはどんなものなのか。視覚的な映画だっただけに解説の効果は大きかったと思う。読み方も平坦で邪魔にならず話し方にも癖がなく大変聞きやすかった。もし表情の解説が動作に加えられていればさらに興味深いものになるのではと感じた。 50代女性 このような世界があることを知り、良い時間を過ごすことができた。 30代男性 場面の説明がわかりやすかった。 ボランティア 小野寺さん 独身OL、幼児を持つ若い母親、料亭の若女将、教職を退任したばかりの女性他、接点のないメンバーで構成された活動は誰もが初めての分野への取り組みで不安を抱えながらのスタートでした。 "お客様は解説を聞きに、ではなく映画を観にいらっしゃる"を念頭に置き、しゃべり過ぎて映画の雰囲気を壊さないように、そして画面がより鮮明に浮かぶように解説文を考える事はとても難しい作業でした。 目の不自由な方と一言で言っても、出生時から視力のない方と中途でなくされた方とでは理解の度合いが相当違うという事についてもこの活動を通じて初めて気付いた事でした。無事上映会を終え、自分の視野が少し広がったように思います。 藤野さん 「終わった・・・」風花上映最後の音声解説を聴いた時、私は心の底からホッとしてそう思いました。「目の不自由な方と映画の感動を、音声解説をつける事によってより一層共有する事が出来たら」と私達ボランティアが一心に風花上映に向けて音声解説制作を開始したのは、まだ雪が降る2月でした。それから季節は巡り、そして私達も様々な思いを重ねながら無事上映を終える事ができました。 今後も私達は目の不自由な方等の生の声に心を寄せ、セリフとセリフの隙間の与えられた時間を活かし且つ今回学んだ事を肥やしにしながら、耳で感じて目に浮かぶ様なちょっとした工夫=音声解説をできる限り制作したいと考えております。 高橋さん 午前の部では館内誘導を、午後の部では解説を読ませて頂きました。どちらも新しい発見と、勉強の連続でした。「2時間、ライブで解説する」作業は、想像以上に緊張と体力のいる事でした。放送室では代役の河合さんとスタンバイ。途中、タイミングを外してしまったり、つかえそうになると、私は不安になり、すぐに河合さんをみます。すると河合さんはすかさず、「大丈夫、そのまま続けて!」と、無言の笑顔と、右手でO.K.のサインを送ってくれます。劇場の方では、他のメンバーやsmtのスタッフが見守って下さっている、と自分を奮い起こします。間のある所では、お水を飲んだり、せき払いをしたり・・・ウラでは、こんな風にジタバタしていた私でした。 仕事を持っている私は、他のメンバーの協力なしには、本番を迎える事は出来なかったと思います。ボランティアとして、細く長く、続けていけたら幸せに思います。  ご希望の方には、「バリアフリー通信」を郵送いたします。また、「拡大文字版」や「録音テープ版」「点字版」もありますので、ご希望の方はご連絡下さい。 発行元 せんだいメディアテーク 980-0821 仙台市青葉区春日町2-1 TEL022-713-4484 FAX022-713-4482