録音図書の新刊案内・メディアテーク録音図書ライブラリー紹介 平成22年2月号 録音図書の新刊案内とメディアテーク録音図書ライブラリーのご紹介です。新刊につきましてはご希望が多いため、1回の貸し出しにつき1タイトルのみの貸し出しとさせていただきます。なお、貸し出しリクエストの際には、「2月号新刊案内の何番」と番号でリクエストいただいても結構です。今回の新刊案内は、カセットテープ図書を5タイトル、デイジー図書を1タイトル紹介します。続けてメディアテークの録音図書ライブラリーの中から6タイトルご紹介します。図書を聞き終わったあとは、テープは巻き取ってからお返し下さい。メディアテークのテープ図書にはA面の方のみ点字シールが付いていますので、シールが付いている方を上にしてケースに入れて下さい。 まず、カセットテープ図書から紹介します。 [小説・エッセイなど] 1.安房直子コレクション2「見知らぬ町ふしぎな村」  安房直子 著  全5巻 約450分 お店やさんが舞台の「遠いのばらの村」「ふしぎな文房具や」「海の館のひらめ」など全15編収録。 2.がらくた  江國香織 著  全6巻 約495分 南国リゾートの海辺から物語は始まる。父親とバカンスに訪れた15歳の美海(みうみ)。老母と共に、翻訳の仕事を携えてきた45歳の柊子(しゅうこ)。柊子は、子供と大人の中間で放たれる美海の輝きに興味を抱くが、一方で自由な夫婦関係にある夫との再会を待ち焦がれる。やがて東京へ戻った二人の目線から意表を突く展開が語られる。官能と知性を刺激し情感を揺り動かす恋愛小説。 3.楽老抄Ⅱ-あめんぼに夕立-  田辺聖子 著  全5巻 約405分 老人こそ、気力、体力、更に、出来得べくんば、財力をもち、老いてこそ体を鍛え、よくしてもらったことは忘れ、いじめられたことは忘れず発憤せよ!と著者。子供時代の思い出も交えて語る「私の靖国」、オバンのトイレ一揆など。気のおけない仲間と盃を交わし談論風発する話題の数々を楽しく綴る、滋味溢れる極上エッセイ集です。 [時代小説] 4.巷説百物語  京極夏彦 著  全9巻 約810分 百物語とは、江戸時代に流行した遊び。夜、人々が集まって百本のろうそくをともし、次々に怪談を語り、一話すむごとに灯りを一つずつ消していく。百の怪談話が終わり、まっくらになった時、妖怪が現れる・・・。といっても、この、京極版・百物語は、怪談というよりは「妖怪ミステリー」。妖怪変化(へんげ)に関する伝承をトリックに用いて、"必殺仕置人"たちが悪をこらしめる、7編の短編からなる連作時代小説。妖怪に関する優れた情報小説であるとともに、意表をつく結末が無類に面白いミステリーです。 5.はやぶさ新八御用帳(一)大奥の恋人  平岩弓枝 著  全6巻 約540分 淀橋で大奥ご用達の菓子屋が斬殺され、雑司ケ谷鬼子母神では大奥お年寄音羽が扼殺。また警護の同心も一刀の元に殺され、 成子坂には首なし死体が。一連の殺人事件を解く鍵は江戸城大奥に......。南町奉行根岸肥前守の懐刀(ふところがたな)・隼新八郎が、恋人お鯉の協力を得て、苦心の末に解明した事件の真相は!? 次に、デイジー図書を1タイトル紹介します。 6.星新一 1001話をつくった人  最相葉月 著  全1枚 約1440分 膨大な資料から浮かびあがらせたショートショートの神様「星新一」の人物像。文学界を取り巻く時代をも同時に読み取らせてくれる大作。講談社ノンフィクション賞・大仏次郎賞等、受賞。 最後に、メディアテーク録音図書ライブラリーの図書をご紹介します。こちらは新刊ではありませんのでご注意ください。 今回は雪をテーマにした図書をカセット3タイトル、デイジー3タイトルご案内します。 7.余寒の雪  宇佐江真理 著  カセット全1巻 90分 みちのく仙台で剣術の修業を積んだ知佐は、知人の婚礼に行くという叔父といっしょに江戸に出てきた。江戸で自分の腕を試したいという気持に駆り立てられていた。だが、彼女を待っていたのは、知佐自身の縁談だった。 8.一会の雪・水明り  佐江衆一 著  カセット全1巻 59分 辻堂の茶店の女主人おすぎは、客のおきくにかわって、江戸に居るという葛籠職人の伊助を訪ねる。しんしんと降り続ける雪の夜ひたすら葛籠作りに没頭する伊助におすぎの気持ちは揺り動かされる。それからずっとその夜のことを忘れることができない。愛の言葉も身体を重ねる事もない恋愛小説の秀作(一会の雪)。他一編。 9.雪明かり  藤沢周平 著  カセット全1巻 47分 菊四郎は、今度は傘を傾けて雪を払った。雪は水気を含んでいて、傘がすぐ重たくなる。その時傾けた傘に、柔らかく重いものが触れた感じがした。人にぶつけたらしい、とはっとしたとき、向こうから詫びの声がした。 若い女だった。女は傘をあげた菊四郎に、もう一度小腰をかがめて去ろうとしたが、不意に足をとめて視線をもどした。-本文より- 10.雪が降る  藤原伊織 著  デイジー全1枚 9時間6分 母を殺したのは、志村さん、あなたですね。少年から届いた短いメールが男の封印された記憶をよみがえらせた。苦い青春の日々と灰色の現在が交錯するとき放たれた一瞬の光芒をとらえた表題作をはじめ、取りかえようのない過去を抱えて生きるほかない人生の真実をあざやかに浮かびあがらせた、珠玉の六篇。 11.「雪国」殺人事件  西村京太郎 著  デイジー全1枚 5時間19分 "国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。夜の底が白くなった"川端康成の名作『雪国』のヒロイン駒子になぞらえた<ミス駒子>に選ばれた美しい芸者菊乃の周辺に起きる不可解な事件。果ては10年ぶりに舞い戻った菊乃の実父が殺される。彼女の身元調査のため越後湯沢を訪れた十津川警部の元部下、私立探偵・橋本豊は事件に巻き込まれていく。彼女に魅かれながらも、思い揺れ動く橋本が遭遇する愛憎劇を描くロマンミステリーの傑作。 12.雪の夜のあと  北原亞以子 著  デイジー全1枚 9時間17分 男の怨念・憎悪・意地!江戸南町奉行所定町廻り同心・森口恵次郎は仏と呼ばれていた。16歳の一人娘が長屋のならず者に犯されて自害。それ以来、胸のうちに鬼が住むようになり、役目を放り出して犯人を追う。江戸裏長屋を舞台に、男の執念、庶民の哀歓を描く長編時代小説。 録音図書の貸し出し 電話022-713-4484