録音図書・点字データ案内 2013年2月号 この案内では、メディアテーク所蔵の録音図書と、サピエ図書館所蔵の録音図書および点字データをご案内します。 貸し出しについて、リクエストの際には「何月号の何番」と番号でお伝えいただいても結構です。なお、ご希望の資料が貸出中の際などは、リクエストいただいてから貸し出しまで、しばらくお待ちいただく場合がありまのでご了承ください。 録音図書・点字データの貸出申込先 電話 022-713-4484 Eメール bfu@smt.city.sendai.jp メディアテーク所蔵資料新刊案内 メディアテーク所蔵の新刊のデイジーを5タイトルご案内します。なお、新刊の貸し出しにつきましてはご希望が多いため、1回の貸し出しにつき、1タイトルのみとさせていただきます。 1.芥川賞を取らなかった名作たち  佐伯一麦(さえきかずみ) 著   全1枚 8時間45分 受賞に至らなかった作品の中にも、受賞作に負けない名作があります。また、時代を超えた今だからこそ、作品の価値が分かってくることもあります。仙台文学館連続講座から、臨場感も伝わる「名作」へのアプローチ。 2.太陽を曳く馬 上・下  高村薫(たかむらかおる) 著  全1枚  31時間2分 「晴子情歌」「新リア王」に続く、三部作。合田雄一郎(ごうだゆういちろう)が挑む二つの事件。「問いを立て続ける」ことは「生きること」。「晴子情歌」に始まる物語はここに完結する。第61回読売文学賞受賞。 3.田中希代子(たなかきよこ)-夜明けのピアニスト   萩谷由喜子(はぎやゆきこ) 著  全1枚 7時間2分 戦後まもなく18歳の少女がフランスへ。日本人ピアニスト活躍時代の先鞭をつけた「夜明けのピアニスト田中希代子」の才能あふれる音楽。そして病魔の生涯。 4.居眠り磐音(いわね)江戸双紙(えどぞうし) 陽炎ノ辻1  佐伯泰英(さえきやすひで) 著  全1枚 7時間47分 直心影流の達人、坂崎磐音。 藩内騒動がもとで自藩を離れ、江戸深川六間堀で浪々の日々を送る。 ある日、磐音はふとした縁で両替商の用心棒を引き受けるが、 幕府の屋台骨を揺るがす大陰謀に巻き込まれてしまう。 些事にこだわらず春風のように穏やかな磐音が颯爽と悪を斬る、著者渾身の痛快時代小説。 5.はやぶさ新八御用帳(六)春月の雛(しゅんげつのひな)   平岩弓枝(ひらいわゆみえ) 著  全1枚 6時間52分 寒椿が美しく咲く寺で、隼新八郎は若い武士を見かけた。いかにも武道の心得のありそうな美丈夫、生駒隼人(いこまはやと)である。一方、ある蔵前の札差(ふださし)の寮では、祝言を目前にした旗本が何者かに刺し殺されていた。 花嫁になるはずだった札差の娘は生駒隼人の別れた妻だと言う。表題作の他六篇を収録。 次に、メディアテーク録音図書ライブラリーの図書をご紹介します。 こちらは新刊ではありませんのでご注意ください。 今回は映画化された図書をカセット2タイトル、デイジー4タイトルご案内します。 6.憑神(つきがみ)  浅田次郎(あさだじろう) 著 カセット全7巻  約585分 時は幕末、処は江戸。貧乏御家人の別所彦四郎(べっしょひこさぶろう)は、文武に秀でながら出世の道をしくじり、夜鳴き蕎麦一杯の小遣いもままならない。ある夜、酔いにまかせて小さな祠に神頼みをしてみると、霊験あらたかにも神様があらわれた。だが、この神様は、神は神でも、なんと貧乏神だった!とことん運に見放されながらも懸命に生きる男の姿は、抱腹絶倒にして、やがては感涙必至。傑作時代長篇。 7.千年旅人(たびと)  辻仁成(つじひとなり) 著  カセット全4巻  410分 死にゆく男、自殺願望の青年、そして義足の少女。死者を海に還す風習の土地での三人の奇妙な出会い。透徹した響きに導かれる死と再生の物語―。 8.日輪の遺産  浅田次郎(あさだじろう) 著  デイジー全1枚  15時間36分 終戦間際の1945年(昭和20)8月10日、3人の軍人たちにある密命が下される。マッカーサーから奪取した900億円(現在の貨幣価値で約200兆円)もの財宝を、秘密裡に陸軍工場へ移送し隠匿せよ―。その財宝は、敗戦を悟った軍上層部が祖国復興を託した軍資金であった。任務を遂行する3人の前に、20名の少女たちが呼集される。御国のため、健気に勤労奉仕する少女たちだったが、8月15日の終戦を迎えたとき、上層部は彼女らに非情きわまる命令を下す...。 9.マークスの山  高村薫(たかむらかおる) 著  デイジー全1枚  18時間58分 「マークスさ。先生たちの大事なマ、ア、ク、ス!」。あの日、彼の心に一粒の種が播かれた。それは運命の名を得、枝を茂らせてゆく。南アルプスで発見された白骨死体。三年後に東京で発生した、アウトローと検事の連続殺人。"殺せ、殺せ"。都会の片隅で恋人と暮らす青年の裡(うち)には、もうひとりの男が潜んでいた。警視庁捜査一課・合田雄一郎警部補の眼前に立ちふさがる、黒一色の山。 10.寝ずの番  中島らも 著  デイジー全1枚 4時間55分 上方落語界の重鎮、笑満亭橋鶴が、いままさに臨終のとき―。「師匠、何か心残りは?これはやっておきたかったということは?」と、弟子が聞くと橋鶴の口がもごもごと動いた。それを聞いた弟子たちはみな、呆気にとられ、その後、大騒動に。果たして師匠がやっておきたかったこととは、いったい何なのか? マキノ雅彦第一回監督作品原作ともなった、粋で泣かせる中島らもの傑作三部作。 11.破線のマリス  野沢尚(のざわひさし) 著  デイジー全1枚  9時間25分 ニュース番組を作り上げる独身編集ウーマン。彼女を待ちうけていたのは自らが仕掛けた映像の罠だった...。テレビ報道の内幕を抉るサスペンス最高傑作!第43回江戸川乱歩賞受賞作。 サピエ図書館所蔵録音図書の紹介 サピエ図書館所蔵の録音図書をご案内します。こちらの図書は全国の方が利用しますので、リクエストいただいてから貸し出しまで、しばらくお待ちいただく場合がありますのでご了承ください。 今回は物語の中に図書館が登場する日本作家の作品を3タイトルご案内します。 12. 話虫干(はなしむしぼし) 小路幸也(しょうじ ゆきや)著  デイジー全1枚 約7時間   とある町の図書館に出没する話虫(はなしむし)。夏目漱石「こころ」のなかに入り込み、名作はメチャクチャに。架空の物語世界を舞台に図書館員たちの活躍が始まる...。刻々と書き換えられていく文豪漱石の「こころ」。バーチャルとレトロが錯綜する物語内世界へと引き込まれます。 13. 第三閲覧室 紀田 順一郎(きだ じゅんいちろう)著  デイジー全1枚 約10時間 カセット版もあります 学長の私的なコレクションを収めた第三閲覧室で死体が発見される。事件の背景にあるのは大学内の複雑な人間関係か、膨大な数の稀覯本か? 図書館運営主任が疑われるなか、彼の無実を確信する古書店主が事件の調査に乗りだす。現場周辺で目撃された謎の女性、奇妙なダイイング・メッセージ。紀田ミステリを代表する巧緻な長編本格推理。 14. 図書室の海 恩田陸(おんだ りく)著  デイジー全1枚 約7時間 カセット版もあります あたしは主人公にはなれない。関根夏(せきね なつ)はそう思っていた。だが半年前の卒業式、夏はテニス部の先輩・志田から秘密の使命を授かった。高校で代々語り継がれる〈サヨコ〉伝説に関わる使命を...。少女の一瞬のときめきを描く「六番目の小夜子」の番外篇、「夜のピクニック」の前日譚「ピクニックの準備」などを含む、恩田ワールドの魅力を凝縮したあまりにも贅沢な短篇玉手箱。 サピエ図書館所蔵点字図書の紹介 最後に、サピエ図書館所蔵の点字データのなかから、メディアテークが制作したタイトルをご案内します。点字データは点字印刷や、フロッピーディスクなどにデータを入れて、貸し出しをいたします。 15.  海鳴りの響きは遠く 宮城県第一高女学徒勤労動員の記録 神谷恵美子 (かみや えみこ)監修 宮城県第一高女四十七回生著  点訳者 増田廣子 5巻 戦争末期、女学生は何を考え、どのように生きたのか。故郷・仙台を遠く離れ、横須賀海軍工廠で兵器生産に励んだ女学校4年生の手記。数人の日記をもとに、動員された生徒が当時の状況を描く。 16. 名指揮者列伝 20世紀の40人 山崎浩太郎(やまざき こうたろう)著  点訳者 3・6会 4巻 トスカニーニ、ワルター、クレンペラー、カラヤン...。20世紀に活躍した名指揮者40人について、それぞれに生きた時代と状況、そしてその生きざまを語る。 17. おちゃめなふたごのすてきな休暇 エニド・メアリ・ブライトン著 佐伯 紀美子(さえき きみこ)訳 点訳者 ろくてんの会 2巻 三年生になったふたごのクラスに、また新入生がやってきました。それも上流階級のお嬢さんがふたりもきてはりあうし、やさしい寮母さんのかわりにきびしい人がきたりして、今学期もいろいろなことがおきそうです。(児童書) 18. おばあちゃんが、ぼけた。 村瀬孝生(むらせ たかお)著 点訳者 工藤幸子 2巻 人間は、生まれる、遊ぶ、働く、愛する、死ぬ。しかも、ぼける。ならば、混沌をおそれず、この1冊でぼけを丸ごと学ぼう。(「よりみちパン!セ」シリーズ) 19.  オジィの海 尚子(しょうこ)著 点訳者 3・6会 1巻 わしが話したことを、忘れないでほしい。オジィがぼくに初めて語った、あのときの記憶。悲しみ、苦しみを乗り越えて沖縄の自然に癒され、亡くなった人たちの分まで生き抜こう。生きることのすばらしさを伝え、生きる力を大きく与えてくれるメッセージの数々。沖縄戦を通して、人間の心と平和を考える絵本。 20.  命なりけり 福原麟太郎(ふくはら りんたろう)訳  点訳者 ろくてんの会 4巻 戦争中、教室から戦地へ送り出さざるを得なかった学生たち。亡くなり帰らなかったひと、辛うじて生還したひと。それぞれへの思いを語った「椰子林の中の学生たち」をはじめ、ささやかな生を慈しむ、随筆の名品。チャールズ・ラムやシェークスピアを通して、英国を愛した希代の碩学・福原麟太郎の珠玉のエッセイ世界。