せんだいメディアテーク



メディアテークの日々の活動をお知らせします。

2014/07/07
資料のそのさきにあるもの smt点訳ボランティア

とある日、1冊の本をかこみ、うーむと頭を寄せあっているのは、メディアテークの点訳ボランティアのみなさん。書籍をはじめ、目の不自由なかたのニーズに照らしたさまざまな資料を「点訳」する活動者たちです。
点訳は、単に文字を点字に変換するだけではありません。それぞれの言語に文法があるように、点訳にもこまやかな規則があります。このルールにそいながら、多々の典拠資料にもあたりつつ、いかに原書に忠実に、適切に伝えるか、一字一句と考察を重ね訳していく作業です。
現在はデータ化した点訳を製作することが中心で、2度3度の校正も入れますから、一般的な書籍などは完成まで1年ちかくかかります。メディアテークでは年間100件ほど点訳し、地域のユーザーをはじめ、全国的に利用に供するウェブサイト(サピエ図書館)にもアップしています。
さて、いま目の前にある本とは『せんだいノート』(発行:仙台市市民文化事業団)。これがなかなかの難題です。
文のあいまに絵図が多く掲載された本なのです。この図はどう説明するのがベストだろう、この写真はこちらの文章と関わるから留意しなくちゃね、など意見が飛び交います。ひとつの図、それをいかに適切に点訳するか…蓄積されたノウハウが活きます。
点訳に適する資料、適さない資料というのも、もちろんあります。ただ、その本に、表現に、出会いたい人、求める人がどこかにいるかもしれないのなら、一期一会の可能性はひろげたい。ひとつでも多く届けたい。資料のさきにある出会いをイメージしながら、原書が伝えるものをしっかり受けとって届けよう。そんな思いで、点ボラさんたちは、むむむ…と今日も製作に向き合っています。
(E.Y)


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  • 点訳者とは別のボランティアがじっくりと校正します
    2014/07/07
    点訳者とは別のボランティアがじっくりと校正します。
  • 点字印刷や音声での読みあげなど多様に利用される点訳データ
    2014/07/07
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  • 見るは楽し訳すは熱中『せんだいノート』
    2014/07/07
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  • 点字印刷、製本されて完成
    2014/07/07
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