Edge in Sendai
〜映画の言葉、詩の眼差し〜

ポエトリー篇(1階オープンスクエア)

11月22日(土)

10:00〜11:00 デモ・ビデオ上映
ゲーリー・スナイダー篇「Mountains and Rivers Without End〜終りなき山河」(60分)
世界的な詩人であるとともに、環境問題、さらにはアメリカ西海岸の禅の指導者としても知られるゲーリー・スナイダー。40年をかけた偉大な長篇詩『終りなき山河』の朗読に沖縄ロケを交え、地球との共生を歌い上げる。
14:10〜15:10 デモ・ビデオ上映
吉増剛造篇「心に刺青をするように」「浦島太郎の目」(2本計60分)
それは詩人・吉増剛造のひとつの旅とともに始まった。奄美大島、琉球弧にあって日本との文化的境界を、さらには陸地と海洋との境界を露わにするところ。詩人は境界に立って、地霊のささやきに耳を澄ます。
15:10〜16:10 シンポジウム  「眼差しから言葉へ」
出演:白石かずこ・高橋睦郎・和合亮一・城戸朱理・宮岡秀行
16:10〜17:00 和合亮一篇「未だ来らざるもの」(30分)+本人による朗読(20分)
和合亮一。詩人。1968年福島生まれ。第一詩集『After』で中原中也賞。シュルレアリスムを躍動感溢れる詩的宇宙へと昇華させ、新たな詩の可能性を体現する新世代の旗手。積極的に朗読活動も続け、和合敦子とのユニット「JAM」による朗読パフォーマンスも定評がある。主な詩集に『RAINBOW』『誕生』。詩誌「ウルトラ」主宰。本篇「未だ来らざるもの」では、"本当の空があるところ"福島とメガロポリス東京を往復しながら、その移動の感覚に現代の詩を見出す。詩人自身が「アクション・ポエジー」と呼ぶダイナミックでボーダーレスな詩的活動と、鮮烈な感覚の爆発を、カメラが追う。
17:05〜17:55 高橋睦郎篇「『シンゴー町』へ『シンゴー町』から」(30分)+本人による朗読(20分)
高橋睦郎。詩人。1937年福岡生まれ。現代詩、短歌、俳句、古体詩まであらゆる詩形式を試み、現代の日本語における詩の全面的な可能性を探る。その詩的達成において余人の追随を許さない孤高の詩人。人間の背負った原罪を見つめ、世界を詩の言葉で存在せしめる。主な詩集に『王国の構造』(歴程賞)、『兎の庭』(高見順賞)、『旅の絵』(現代詩花椿賞)、『姉の島』(詩歌文学館賞)。最新詩集に『小枝を持って』、句歌集『稽古飲食』(読売文学賞)がある。2000年に紫綬褒章受章。仙台開府四百年記念オペラ・支倉常長「遠い帆」では台本を担当した。本篇「『シンゴー町』へ『シンゴー町』から」は、陽光溢れる湘南・逗子の自宅を背景に、アンティークや美術品に囲まれた詩人の生活空間から、どのように詩の言葉が生まれるのかを描く。言葉と存在の根源を問う魂の対話編。
18:05〜18:55 白石かずこ篇「ユリシーズの運命、詩の行方」(30分)+本人による朗読(20分)
白石かずこ(Kazuko・Shiraishi)。詩人。1931年カナダ・バンクーバー生まれ。無垢にして豊饒、ジャズのインプロヴィゼーションにも似た自由な息継ぎで日本的叙情を排した詩的宇宙を創造する世界的な詩人。積極的な朗読活動も続け、フランスの「リベラシオン」紙で「詩のロックスター」と評された。主な詩集に『聖なる淫者の季節』(H氏賞)、『砂族』(歴程賞)、『現れるものたちをして』(読売文学賞・高見順賞)。最新詩集に『浮遊する母、都市』がある。ほかにも詩集・エッセイ集・著書多数。本篇「ユリシーズの運命、詩の行方」は、今日までユリシーズさながらに世界を旅してきた詩人が、日本海に立ち、圧倒的な朗読を繰り広げる。その黙示録的世界。万象をいとおしみ抱擁するかのような詩人の姿は、詩の豊かな未来そのものである。