せんだいメディアテークを説明する文章には、「美術や映像文化の活動拠点であると同時に、すべての人々がさまざまなメディアを通じて自由に情報のやりとりを行い、使いこなせるようにお手伝いする公共施設です」とあります。このなかで、「すべての人々が(中略)自由に情報のやりとりを行い」という部分には、年齢や障害の有無を問わずすべての人々が図書館やインターネットを通じて情報を活用できるよう支援することだけでなく、すべての人々が情報の発信者となることを支援する、という意味が込められています。
そのために、メディアテークの7階にあるスタジオには、メディアテークを利用する人々が、印刷や映像やインターネットなど、さまざまなメディアでの発信を行うための設備と機能が盛り込まれました。
画期的な技術革新によって、すべての人が情報発信を行うための技術的環境はほぼ満たされているといって過言ではないでしょう。メディアテークでも開館以来、スタジオを活用してさまざまな情報発信の試みが続けられてきました。しかし実際には難しい問題に直面することも少なくありません。利用者の技術レベルに応じた支援の問題、何をどう発信すべきかという問題、そしてそれらを支えるべき公的な支援とは何かなど、新しい情報環境における私たちのメディアリテラシーはまだまだ発展途上にあるのです。
メディアテークでは、これらの課題のひとつひとつと向き合いながら、情報を集め、編集し、発信するためのノウハウ、とりわけ「公的な発信」に至るノウハウをみなさんとともに蓄積していきたいと考えています。
「映像製作ワークショップ ビデオレポート編」はその一環として、映像をつかった情報発信のノウハウの習得と、それを生かして地域の記録を映像に残す活動をすすめるために、実際にビデオレポートを完成させることを通して、作品の構成や取材の方法、撮影・編集の技術について学ぶものです。
今年度の映像制作ワークショップでは,「仙台劇のまち戯曲賞」で大賞を取った作品を舞台化して公演する「平成19年度演劇プロデュース公演」をテーマに取材・撮影します。完成した作品はDVDにまとめて参加されたみなさまにお渡しする他,メディアテーク7Fシアターでの上映やsmt映像音響ライブラリー他市内各図書館に配架し,市民のみなさまに閲覧していただくことも予定しております。また,ケーブルテレビキャベツでも放送予定です。
昨年度のワークショップの作品は,smt映像音響ライブラリーで,閲覧貸出をしております。