せんだいメディアテーク



せんだいメディアテークをもっとよく知るためのさまざまな情報を、 副館長/企画・活動支援室長、佐藤泰がお届けします。

12「地震対策」

さきごろの四川大地震では、多くの建物が崩壊したいへんな被害をもたらしました。地震国である日本では、大地震の発生を想定してさまざまな安全対策が講じられていますが、メディアテークではどのようになっているのでしょう。
コンクリート柱の代わりに、鉄パイプを組み合わせて作ったチューブが建物を支えているのはご存じの通りです。地震の際は、このチューブが柔らかく揺れることで地震後の変形などが生じないようになっているほか、地下1階部分には巨大地震時のエネルギーを吸収する機構が組み込まれており、数百年に一度起きるか起きないかの巨大地震にも対応できるようになっています。またガラスについては、柔らかいサッシや支えによってガラス自体の破損を防ぐほか、フィルムなどの使用により万一ガラスが破損しても落下したり飛散することのないような配慮が施されています。さらに、メディアテークは構造的に自立した建築素材がそのまま仕上げになるシンプルな造りになっていることで、コンクリートや仕上げ材のひび割れなどの被害が最小限にとどまるという利点もあります。
このように、メディアテークには地震国日本ならではのさまざまなノウハウがたくさんつまっています。またそれらの多くが壁で覆われていないために、だれでも観察できるようになっています。機会があれば、そのような観点でメディアテークを見てみるのも興味深いかもしれません。

(2008/06/01)

  • チューブ部分の振動解析図
    チューブ部分の振動解析図
    『建築文化6月号別冊 建築:非線型の出来事』彰国社、2002年6月、p.76より
  • 免震的構造の柱(地下一階準備室)
    免震的構造の柱(地下一階準備室)
  • ダブルスキンのガラスは弾力性のあるサッシでつながれています
    ダブルスキンのガラスは弾力性のあるサッシでつながれています

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