せんだいメディアテーク



せんだいメディアテークをもっとよく知るためのさまざまな情報を、 副館長/企画・活動支援室長、佐藤泰がお届けします。

22「メディアテークという名前」

フランス語でメディアの入れ物といった意味を表すこの言葉で呼ばれる施設は、日本においては今のところ東京日仏学院の図書館とわがせんだいメディアテークの2つだと思われます。どちらか先にこの表記を使い始めたのかは定かではありませんが、仙台の場合は施設名としての初出を1994年に遡ることができます。
図書館、ギャラリー、映像センターに目や耳の不自由なかたのための情報提供という4つの機能を併せ持つこの施設の設計競技を開始するにあたり、審査委員長の磯崎新氏から、当時フランスやドイツで使われ始めていたメディアテークを使ってはどうかという提案があったのです。軽井沢の別荘におじゃまして募集要項に盛り込む施設のコンセプトなどの打合せをしていたときにその名前は決まりましたが、細かい表記の問題を詰めている際に、はじめはテック、ティク、テイクなどの案がある中、テークを提案したのはほかでもなくこの私でした。とるにたりない小さなことではありますが、私にとっては忘れがたい思い出のひとつです。
それはともかく、その後、メディアテークという実体がつかめない謎めいた名前は、たくさんの人それぞれの、未来を託す思いや未知への好奇心を引きつけることになり、設計競技の結果選ばれた伊東豊雄氏の建築プランとともに、当初の計画では想像できなかったほどの大きな影響力をもつプロジェクトへと発展していったのです。

(2009/04/01)


  • ダブルスキンに大きくかかれたせんだいメディアテークのロゴタイプ

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