全館再開のお知らせ

せんだいメディアテーク



せんだいメディアテークをもっとよく知るためのさまざまな情報を、副館長の佐藤泰がお届けします。

51「せんだいノート」

地震のときメディアテークの7階で、制作中の冊子「せんだいノート」の最終入稿作業をしていた編集スタッフは、突然の激しい揺れのなかで身動きもとれず、破損した頭上のスプリンクラーから滝のように吹き出す水の下で、ずぶ濡れになりながら揺れが収まるのを待っていたそうです。被災後の現場の床には、原稿や資料の紙がこまぎれにちぎれた状態で散乱していましたが、そのようすから当時吹き出していた水の激しさを知ることができます。
仙台・宮城ミュージアムアライアンス(SMMA)事業の一環として編集されていたこの冊子は、直接、間接にミュージアムにつながりつつ、さまざまな立場で地域文化を担う人びとや話題を紹介しており、全編を通じて人や文化への暖かいまなざしに貫かれたフリーペーパーとなる予定でした。しかしフリーペーパーとしては年度内の発行が条件であったこと、南三陸町の話題や、被災館を含む東北地方のミュージアムマップなど内容の再検討が必要となったことなどにより、「せんだいノート」の印刷は見合わせとなり、発行は凍結せざるをえませんでした。それを救ったのはSMMA編集スタッフをはじめこの冊子の制作に関わった多くの人びとの熱意であり、最終的に印刷出版を申し出てくださった三樹書房のご厚意でした。マップに掲載した東北六県の900を超える大小のミュージアムにあらためて連絡し、それぞれの震災後の状況を追記した「せんだいノート」は、ふるさとへの思いと復興への祈りを載せて、10月から全国の書店に並び始めています。

(2011/11/01)



  • 被災した後のSMMA編集室

  • SMMAの書籍『せんだいノート ミュージアム何だろう?』

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