活版印刷ワークショップ

smtデザイン講座 活版印刷 ワークショップ 活動記録

カッパンインサツワークショップ活版days 中級編

 今年度の活版印刷ワークショップが開催されたのは6月・8月の2回。いずれも「初級編」として初めて活字に触れ・親しもうとするかたを対象にしたもので、10月のワークショップは、その「初級編」を経験されたかたがたへのステップ・アップ講座として、活動拠点を日当たりのよい7階スタジオから大型プレス機や馬が揃う地下の活版印刷工房へと移し、そのアナログ技術の奥深さ・楽しさを体験する目的で開講されました。

 近年、個人制作による活版印刷でその独特の風合いに親しむ愛好者が静かに増えています。今回は、smt開館当時からボランティアとして活版印刷工房をサポートし、また自主的に勉強会を開く活版印刷研究会の皆さんにご協力を頂きながら、山形の大学で銅版画を学ぶ学生さんや、初級編を体験し見出した活版印刷の面白さを追求すべく参加したかたがたがポストカードの制作に挑みました。

 ワークショップ中級編は、開始とともにどんなデザインで制作するかを考え悩む事から始まりました。ある参加者は、文字だけではなく記号を用いて見事な鯨の図を組み、またある別の参加者は、李白の漢詩の文字組みに挑戦し、馬には揃っていない簡体字を作成するべく、既成の活字を加工し組み合わせながら精緻な作品を仕上げました。失敗してもよいからなるべく自分の力で、を大事として、自ら活字を探し出し、文字を組み、自身でチェースに収め、そして適切なインクの色が出るまで混色を試し、解版する…限られた時間内での制作でしたが、少人数制を活かし、とことんこだわり抜いた傑作が生み出され、それぞれに満足のいく作品が完成されました。また、参加者の皆さんがご自身で制作なされた作品に満足頂ける様子は、スタッフ一同も嬉しく思うばかりです。

 smt活版印刷工房は、稼働状態で保管されたメディアのアンティーク・ボックス。今年度のワークショップは今回で終了予定(?!)ですが、smtガイドボランティアによるsmtツアーなどでのご見学の機会はたくさんあります。興味を持ったかたは気軽に今後のワークショップ「初級編」「中級編」にご応募くださいね!お待ちしております。


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