せんだいメディアテークでは開館以来、仙台市における優れた文化を紹介する展覧会を開催してきました。 このシリーズの一つとしてここ仙台の伝統窯である堤焼の継承者針生乾馬氏の作品を一堂に公開する展覧会を開催します。
かつて民芸運動の提唱者柳宗悦によって「東北を代表する民窯」と評された堤焼は、 黒釉に糠白釉を奔放に流しがけした海鼠(なまこ)釉が特徴で、野趣あふれる皿、壷、酒器、湯呑みなど、 素朴な日用品を中心とする仙台ゆかりの工芸です。
その歴史は元禄年間に仙台藩主伊達綱村が江戸の陶工、上村万右衛門を招き、 当初杉山台の原(現在の台原)に築窯したことに始まるといわれます。 別名杉山焼とも言われ、この流れを受けた日用雑器と土人形を主とした窯場は寛政年間に現在の堤町にも現れ、 明治中期からは堤焼と呼ばれます。 堤焼の家系である幕末から明治にかけての庄子義忠の代に造船技術者として来仙していた三浦乾也という陶工に師事し、 以後「乾」の一字をもらい乾馬(けんば)と称するようになりました。 こうして初代乾馬の流れを受けて現在は四代目乾馬氏が窯を泉区に移転、(株)堤焼乾馬窯として、 様々な日用のうつわを作り出す一方、陶芸品の伝承につとめました。 今回は現在の当主四代目乾馬の水指、茶入、茶碗などの茶道具から、近年の意欲的に挑んだ大作の数点の瓶まで、 さらに久馬、和馬を含めた父子三人の作品約100点を広く展観しその歴史や制作の過程などもわかりやすく紹介します。 この機会に是非、当地仙台に伝わる三百年来の伝統の技術と東北ならではの豪壮な作風をご鑑賞ください。



会期2002年12月7日(土)〜23日(日)(全17日間)
10時〜19時(ただし入場は18時30分まで)
会場5階ギャラリー3300a,b
主催せんだいメディアテーク
入場料無料
針生乾馬写真


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