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せんだいメディアテーク
980-0821
仙台市青葉区春日町2-1
電話 022-713-3171
ファックス 022-713-4482
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活字でメディアをみる

私は現在、印刷博物館にて活字を通して近代を考える企画展の準備をしております。smtさんとは資料を通じてたびたび交流をもたせていただいております。今日は、「活字に触れる」ということは、実は無意識のうちに「近代に触れる」ということでもあるというお話をさせていただきます。活版という方法は、近代の一要素をそのままの形で具象化をしているように私は強く感じています。近代とは「等しい」「均一」という要素、そしてその用法、加えて「合理性」が自身を形成する一つの要素でありますが、合理的に「等しくする為に必要な方法」、そして「等しい」すなわち「同じ」という「共通の認識」による社会形成は、共にグーテンベルクによって開発された合理的な活版印刷術という方法によって確立した「印刷」というメディア、またこの技術が少なからず近代の成立を促す装置となっています。鶏と卵ではありませんが、モノそしてコトが生み出したその本質的な意味は、その必要性(意図)から生まれたものなのか? それとも方法(装置)が生んだのか? このような議論はこれからも続くでありましょうが、例えば日本の近代を活字すなわち「方法」として考えるのも面白いテーマであります。 これは「活字からメディアをみる」一つの事例であり、近代を考察中である私なりの方法の一つです。

博物館はメディアであります。多様な人を対象とし、異なる視点を持った人が集まる試作の場とも考えられます。すなわち「活版からメディアをみる」ことも「メディアから活版をみる」こともできる環境なのです。このことにより、人間が営んできた多様な事象を考える装置となることが博物館等の機能、そして目的ではと考えております。ゆえにせんだいメディアテークこそ「メディアとしての・・・」というテーマに基づき、その用い方を多様な関わりの中で活用される一中心的な役割を果たす装置であることを望みます。