展覧会を見にいくと、作品が整然と並んでいる静的なイメージが強いと思いますが、その裏では生きた人間、作家と大勢の裏方さんが匠の技を発揮して展覧会は完成します。冷ややかに見えるコンピューターを使ったメディアアートの作品でも、数十メートルに及ぶ大蛇のようなケーブルを両腕に抱えてずるずると引きずったことが思い出されます。展覧会の世界は、生の人間の力によって成り立つ、まさに「生きた」世界なのです。そして会期が始まっても、メディアアート作品の保守などで電池や消耗品などを取り替えたり、展示を見て疑問を持たれた方への対応など、手のかかる展覧会を育てていく必要があります。結局会期中はずっと気が抜けなくなるのですが、その生々しいうねりこそ、展覧会のおもしろいところかもしれません。
展覧会という生き物
<no.18への返信>
笹木一義 企画・活動支援室
copyright © 2002-2003 sendai mediatheque. all rights reserved.