メッセージ/ことばの扉をひらく
日比野克彦ワークショップ
『サインを読みとれ!』

2001年1月27日土曜日、せんだいメディアテーク1階オープンスクエアにて
のべ約100人が参加し、日比野克彦氏のワークショップが開かれました。
当日の模様を、日比野氏によるプログラムに、写真をおりまぜながらご紹介します。

参加者のみなさんへ!
雪の降る中ようこそメディアテークへ!

  1. まずは受付で名札をもらってください。
  2. 奥の作業スペースに移動して名札に自分の名前を書き入れましょう。
  3. これからサイン(形)を作ります。どんなサインにしましょうか?
    ここでひとつ約束です。そのサインの意味を言葉にしてはいけません。
    そしてサインの形状は立体にしましょう、
    それとそのサインに言葉が飛び出る魔法の窓を書き入れましょう。
  4. 魔法の窓について説明します。
    あなたにあなただけの魔法の窓の印をお教えします。
    教えてくれるのは作業スペースにいるスタッフです。
  5. 四角い桝目を黒で教えてもらったとおりに塗りつぶしてください。
    ただしこの魔法の窓が書かれているところは平坦ではなくてはいけません。
  6. できましたか?
    ではあなたのサインにひもをつけて首からさげて戦いの場に移動してください。
  7. 三角にしきられたリングがあなたの戦いの場です。
    各コーナーにはあなたのセコンドが付いています。
    1ラウンド30秒を3ラウンド行います。 その間あなたは相手(2人います)のサインを読み取ってください。
    サインの形はもとより、相手の姿、様子、仕草などなど言葉ではないところから 相手が何を言おうとしているのかを読み取ってください。
    サインを出さなくてはいけませんし、サインを読み取らなくてもいけません。
  8. 3ラウンド終了したらセコンドに相手(2人)から読み取ったサインを伝えてください。
    相手の2人それぞれにセコンドはただちにそれを魔法の窓に送ります。
  9. さて、あなたのサインはどのように読み取られたのでしょうか?
    それを知るために次のコーナーに移動しましょう!
  10. 魔法の窓解析室へようこそ
    ここはあなた一人の個室です。
    相手になんて思われてるか?
    自分のサインは読み取られたのか?
    知ることができるのはこの個室の中にあるモニターの画面からだけです。
    あなた以外の人は一切知る由がありません。

以上で『サインを読み取れ』は終了です。

日頃街を歩いていてふと人とすれ違うとき
言葉はないけど相手から感じ取るものがあります。
同時に自分も相手に読み取られてることがあるのです。
言葉になる前に
言葉の扉が開く前に
あなたは文字にならない魔法の窓を持っているのです。

GLOBAL MESSAGE
日比野 克彦

2000枚の様々な形をしたボードの集合体によってできている球体は 21世紀へのメッセージというテーマで日本中から寄せられた文章を 日比野克彦が一枚一枚形にしたもので構成されています。
ボードの表面にはサイバーコードがあり、解析ソフトを通してモニター上で初めて文章が形の上に現われます。
このプロジェクトは2001年1月1日にNHK総合で生放送でメッセージを集め、スタジオで形をボードに切っていき、 13時間をかけて球体に仕上げていき、全国からの言葉が形を形成していきました。

共同研究者 暦本純一(ソニーコンピュータサイエンス研究所)
協力 江渡浩一郎(財団法人国際メディア研究財団)
東京芸術大学美術学部先端芸術表現科1、2年生