伊藤トオル氏と飯沢耕太郎氏によるトークショー

1997年度、写真新世紀特別賞受賞の伊藤トオル氏を代表とする「仙台コレクション」の会が発足したのは2000年。以来10人の写真家がそれぞれの関心に沿う形で仙台の街と建物を撮影してきました。この度2005年の『仙台コレクションvol1』に続き写真集vol2が刊行されました。今回は写真新世紀の仙台展開催を記念して、またキヤノン写真新世紀の受賞から10年目にあたり仙台で活動を続ける伊藤トオル氏と写真評論家の飯沢耕太郎氏のトークショーを行います。

トークショーの報告

伊藤トオル氏と飯沢耕太郎氏によるトークショー

仙台コレクション

そこに存在する無数の風景は時と主に風化し
やがて人々の記憶からも消えてゆく。
日々失われてゆく無名の風景をネガに焼付け記憶する。
-思い入れや感情は介存しない-
「純粋な記憶性」と「風景を切り取る行為」との間に生じるパラドックス、
それさえも目標とする一万点という圧倒的な量の前では無意味なものとなるだろう。
コレクションするごとに普遍性を増し、
より等価なものへとなってゆく風景をここに提示する。

The boundless street scenes are disappearing as time goes by,
so they can't live in our memory.
''Anonymous Scenes''
- losing in our life-, we keep them on the film.
- There are no feelings, no sentiments-.
Paradox appears between records and conducts of cutting off view,
and it become absurd when we finish takingten thousand photo.
We submit this scenes which willgain more and more
universal and equivalence as collecting.
仙台コレクションのwebサイト
http://home.att.ne.jp/alpha/s-collection/

講師

伊藤トオル

1963年宮城県多賀城市生まれ。 23歳から1年半広告スタジオ勤務の後、1987年よりフリーランスカメラマンとして活動。 2001年より、プロジェクト「仙台コレクション」をスタートさせ、現在までに写真展を11回、写真集2冊刊行。 現在も進行中。
1997年度写真新世紀特別賞(森山大道選優秀賞)、1998年度写真新世紀佳作、1999年度宮城県芸術選奨新人賞受賞。 写真集に『KUMANO』(洋々社1995年)『夏芙蓉-okinawa2003』(蒼穹舎2004年)『仙台コレクションVol.1』(2005年)『仙台コレクションVol.2』(2007年)。