2月5日(土)

アニキ・ボボ
11:00

アニキ・ボボ

監督・脚本:マノエル・ド・オリヴェイラ/1942年/71分
出演:ナシメント・フェルナンデス、フェルナンダ・マトス、オラシオ・シルヴァ
オリヴェイラの長篇デビュー作。陽光降り注ぐポルトの街を舞台に、躍動する少年少女たちを縦横無尽にとらえた本作はロベルト・ロッセリーニやルキノ・ヴィスコンティの映画に代表されるネオレアリズモの先駆的作品と見なされる。「アニキ・ボボ」とは警官・泥棒という遊びの名前。
過去と現在 昔の恋、今の恋
13:30

過去と現在 昔の恋、今の恋

監督・脚本:マノエル・ド・オリヴェイラ/1972年/115分
出演:マリア・ド・サイセット、マヌエラ・ド・フレイタス、ペドロ・ピニェイロ
ヴィンセンテ・サンチェスの同名戯曲を監督が自ら映画用に翻案した長編劇映画第3作。『フランシスカ』(1981年)に至る「挫折した愛の四部作」の第一部にあたる。現在の夫に心を開かず、事故死した最初の夫への想いを募らせる妻ヴァンダを中心に、過去と現在、死者と生者の間を交差する奇妙な愛が描かれる。
私たちの好きな八月
16:00

私たちの好きな八月日本初公開

監督:ミゲル・ゴメス/2008年/149分
出演:ソニア・バンデイラ、 ファビオ・オリヴェイラ、ジョアキン・カルヴァロ
新鋭ミゲル・ゴメスの長篇第二作。ヴァカンス期のポルトガル山間部を舞台に、地元の村人、映画製作チーム、音楽フェスティバルの様子をドキュメンタリー的に描く前半部が、やがていつの間にか、途切れることなく、美しい少年と少女のメロドラマを綴る後半部へと移行する。真夏の夜の夢のような脱ジャンル的秀作。

2月6日(日)

ラスト・ダイビング
11:00

ラスト・ダイビング

監督・脚本:ジョアン・セーザル・モンテイロ/1992年/88分
出演:ファビエンヌ・バーブ、ディニス・ネト・ジョルジュ、エンリケ・カント・イ・カストロ
死を想い波止場で淋しげにたたずむ青年に、老人が声をかける。実は自分も人生に飽きている。最後に街に繰り出し存分に遊び、それから死ぬことにしようじゃないか……。ネオン煌めく夜のリスボンで繰り広げられる歌と踊り、酒と官能の宴。絶望と引き替えに許された、底抜けに大らかな人生賛歌。
トラス・オス・モンテス
13:30

トラス・オス・モンテス日本初公開

監督・脚本:アントニオ・レイス、マルガリーダ・コルデイロ/1976年/111分
出演:トラス・オス・モンテスの住民たち
ポルトガル現代詩を代表するアントニオ・レイスが、マルガリーダ・コルデイロと共に作った初長篇。川遊びなどにうち興じる子供たちの姿を中心に、遠い山奥のきらきらと輝く宝石のような日々を夢幻的な時間構成により浮かび上がらせる。公開当時、フランスの批評家たちを驚嘆させ、後にペドロ・コスタ監督にも影響を与えたという伝説的フィルム。
トランス
16:00

トランス日本初公開

監督・脚本:テレーザ・ヴィラヴェルデ/2006年/126分
出演:アナ・モレイラ、ヴィクトル・ラコフ、ロビンソン・ステヴニン
サンクトペテルブルグで暮らしていたソーニャは、より良い暮らしを求めて西ヨーロッパへ向かうが、旅の途中で過酷な現実に直面する。人間の尊厳を奪われる絶望的な状況の中で、奇妙にも、耽美的な夢世界への通路が開かれる。いまポルトガルでもっとも期待される才能のひとりヴィラヴェルデの代表作。

2月7日(月)

春の劇
11:00

春の劇日本初公開

監督:マノエル・ド・オリヴェイラ/1963年/91分
出演:ニコラウ・ヌネス・ダ・シルヴァ、エルメリンダ・ピレシュ、マリア・マダレーナ
16世紀に書かれたテキストに基づいて山村クラリェで上演されるキリスト受難劇の記録。 フィクションとドキュメンタリーの区別を越えた演出はその後の作品へと受け継がれ、 監督自ら「作品歴のターニングポイント」と述べている。一見して不自然な「虚構」のドキュメントだけが喚起する謎と緊張。前人未踏の「映画を超えた映画」の始まり。
神曲
13:30

神曲

監督・脚本:マノエル・ド・オリヴェイラ/1991年/141分
出演:マリア・ド・メデイロス、ミゲル・ギリェルメ、ルイス・ミゲル・シントラ
「精神を病める人々」の表札が掲げられた邸宅で、アダムとイブ、キリスト、ラスコリーニコフ、 ニーチェのアンチ・キリストら歴史的文学作品の登場人物たちが、信仰と理性と愛についての議論を戦わせる。西洋古典の深奥に分け入りながらも「まったく未知なものとして、絶対的な驚き」とともに再び映像として蘇らせるオリヴェイラ芸術の真骨頂。
黄色い家の記憶
19:00

黄色い家の記憶日本初公開

監督・脚本:ジョアン・セーザル・モンテイロ/1989年/122分
出演:ジョアン・セーザル・モンテイロ、マヌエラ・ド・フレイタス、ルイ・フルータド
強烈な存在感で見る者を魅了してやまない中年男の姿をした怪人デウス(神)をモンテイロが愉快に自作自演した「ジョアン・ド・デウス」シリーズの第一作。姦淫、盗みなどの悪行に身を任せる天衣無縫のデウスの足跡が、そのままモラリスト的人間考察へと転じる。サッシャ・ギトリやバスター・キートンと比肩する偉大な個性を世界に印象づけた傑作。

2月8日(火)

カニバイシュ
11:00

カニバイシュ

監督・脚本:マノエル・ド・オリヴェイラ/1988年/91分
出演:ルイス・ミゲル・シントラ、レオノール・シルヴェイラ、ディオゴ・ドーリア
『過去と現在』から音楽を担当してきたジョアン・パエスとともに作られたオペラ・ブッファ映画。厳かに進行する貴族たちの晩餐会は、やがて、タイトルが予告する驚愕の食人(カニバリズム)へ。人間と動物、人間と機械、見せかけと本質……ヴァイオリンの調べにのって、規格外のユーモアを堪能できる怪作。
神の結婚
13:30

神の結婚

監督・脚本:ジョアン・セーザル・モンテイロ/1999年/142分
出演:ジョアン・セーザル・モンテイロ、リタ・ドゥラン、ジョアナ・アゼヴェド
「ジョアン・ド・デウス」シリーズの最終作。「神の使い」から突如巨万の富を与えられたデウスは、それ幸いとばかりに自分の欲望を解禁する。実現した夢のような生活はしかし突如終息し、デウスは自分が破滅しているのを知る……。再び無一文になった彼が出会うのは?
骨
19:00

監督・脚本:ペドロ・コスタ/1997年/94分
出演:ヴァンダ・ドゥアルテ、ヌーノ・ヴァス、マリア・リプキナ
現代映画の最前線をひた走るペドロ・コスタの長篇第三作。リスボン近郊のスラム街フォンタイーニャス地区を舞台に、貧困と無気力にうちひしがれる若者たちの生を透徹した眼差しで描く。劇映画の枠組みを多分に残して作られたコスタ最後のフィルムであり、物語を食い破るように突出するショットの残酷な輝きが際立つ。

*やむをえず内容の変更、入場の制限をさせていただく場合がございますのでご了承ください。

  11:00 13:30 16:00 19:00
5日
(土)
アニキ・ボボ 過去と現在 昔の恋、今の恋 私たちの好きな八月  
6日
(日)
ラスト・ダイビング トラス・オス・モンテス トランス  
7日
(月)
春の劇 神曲   黄色い家の記憶
8日
(火)
カニバイシュ 神の結婚   骨

※やむをえず内容の変更、入場の制限をさせていただく場合がございますのでご了承ください。

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