報告 2016年07月11日更新

「シネバトル チャンピオン上映会『ダスト』」を開催しました


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熱戦だったシネバトルVol.12(6月29日開催)の記憶も真新しい7月3日、「シネバトル チャンピオン上映会」がせんだいメディアテーク 7Fスタジオシアターで開催されました。

この上映会は、シネバトル各回を勝ち抜いたチャンピオンだけの最終決戦「グランドチャンピオン大会」の副賞でもあります。この日の上映作品は、平成27年度グランドチャンピオン田村圭子さんイチ押しの作品なのです。
 
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前回のチャンピオン上映会の様子はこちら。
シネバトル・チャンピオン上映会、開催しました!
 
田村さんが選んだ作品は『ダスト』(監督:ミルチョ・マンチェフスキー/2001年)。チラシに掲載した田村さん自身のおすすめの一言から抜粋してみましょう。
 
「老女と青年・彼女が語る百年前のガンマン兄弟それぞれの人生/現代と過去/NYとマケドニア」が自在に交錯し、巧緻にちりばめられた謎のピース、予断を許さない着地点、どのシーンからも目が離せません。」
 
現代のニューヨークと100年前のマケドニア、時空を縦横に行き来する壮大な作品です。最初に出場されたシネバトルVol.9でもマンチェフスキー監督の『ビフォア・ザ・レイン』を紹介した田村さんでしたが、いざ上映作品を1本に決める段になって相当悩まれていました。何本かの候補から最終的には『ダスト』となりましたが、結果的にこのあまり劇場公開される機会の少ない作品を、35mmフィルムでの上映で観賞できたわけですから、やはり田村チャンピオンの審美眼は素晴らしかったと言えるのではないでしょうか。
 
と言うのも、当日は開場1時間前から並ぶ方もおられ、お問い合わせの電話も多数。おかげさまで劇場は盛況となりました。チャンピオン自らマニアックな作品だと集客を不安視していましたが、「『ダスト』がまさかスクリーンで見られるとは思わなかった!」という方から「普段なら自分では見に行かないタイプの作品を見られて嬉しかった」という方まで、多くのお客様に満足いただけたようです。
 
終映後、田村さんによる作品解説も行われました。シネバトルでの作品紹介は制限時間3分なのですが、この日はたっぷり語っていただくことができました。マケドニアの地理や歴史から登場人物たちの役名の背景まで、様々な視点から『ダスト』を分析する緻密な解説に、最後は拍手拍手で幕を閉じました。
 
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マケドニアって、ココです!
 
誠実に作品への想いを投げ掛けるチャンピオンと、それをしっかり受け止める観客。立場は違っても作品へのそれぞれの想いが大きなうねりのように劇場に満ちていることが実感できる上映会となりました。実は開映前と終映後の客席BGMは『ダスト』の音楽を担当したあるミュージシャンの作品から田村さんが選曲したものでした。作品を観る前から作品世界にフェードインできるように、また終映後は余韻に浸れるように…という田村さんのアイデアだったのですが、終映後、受付に「あのBGMは明らかに意図的な選曲なのでしょう?」とお問い合わせしてくださったお客様がおられました。細かいことではありますが、こういうアイデアにきちんと反応してくださるお客様がいてくださってこそのシネバトルだなぁ、とジーンとした初夏の日曜日でありました。(A.H.)

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