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プロジェクトリスト | シネバトル わたしのイチ押し映画(シネ)はコレよ!

2017年02月24日更新 報告 ホラー映画の新しい潮流をスクリーンで確かめる!「シネバトルチャンピオン上映会・ババドック〜暗闇の魔物〜」

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バレンタインデイなのにホラー映画…、しかも平日火曜日に…、劇場未公開の誰も知らないかもしれない映画…。
 
昨年末のグランドチャンピオン大会で見事その座を射止めた木村剛さんイチ押しの作品は、「ババドック〜暗闇の魔物〜」という日本では劇場未公開の2014年の作品でした。木村さんのご都合と会場(スタジオシアター)の空き日を調整したところ、偶然にも上映日は2017年2月14日(火)という平日のなんでもない日に決定。しかも恋人たちが世界の中心で愛を叫ぶバレンタインデイです!
 
順当に考えてお客様は少ないだろうな、と。
 
チラシやSNSでの宣伝に加え地道な口コミでの宣伝行為に励む担当者Hでありましたが、実はこの「ババドック」、映画目利きからは意外や注目を集めておりました。いやむしろ劇場公開されず、パッケージメディアもなかなか流通しなかった影響もあり、見たいと思っていた人からは渇望されていたフシがあります。そんな背景が本当にあったのか、観客数一桁台を覚悟していた担当者の心配をよそに、当日は次から次とお客様がシアターホールに飲み込まれていき、最終的には41名を数えました。興業って本当にわからないものですね。
 
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その「ババドック〜暗闇の魔物〜」、「これ、本当にホラーなの?」と正面切って問われると返答に窮してしまうような、曰く言い難い作品でありました。再掲になりますが、ここで木村剛グランドチャンピオンの解説文をお読みください。
 
物語の主人公は事故で夫を亡くしたシングルマザー。彼女は一人息子に読み聞かせた絵本“ババドック”の呪いによって、極限の恐怖に突き落とされます。その恐怖とは痛みでも苦しみでもなく、彼女が隠していた心の暗闇を暴かれることだったのです…。
『エクソシスト』のW・フリードキン監督も大絶賛する今作は、孤独と絶望で機能不全に陥った母子の関係性をホラー映画のフォーマットを通してスリリングに描き、豪州アカデミー賞作品賞に輝きました。劇場未公開作品ですが、グランドチャンピオンとして自信を持ってお勧めします。果たしてババドックの呪いは解けるのか?主人公の心の暗闇に光は差すのか?ババドックがいるならジジドックもいるのか?2月14日、ぜひ貴方の目で耳で確かめに来て下さい。バババ…ドック!ドック!ドック!

確かに異形の化け物が出てくる…と言えば言えるのですが、ではゾンビやエイリアンのような恐ろしいクリーチャーとのアクションシーンがあるかというと、そうではありません。ひたすら精神を侵されるような、そしてその葛藤はすべて登場人物の内面で起こっているような、そういう「不愉快な感じ」はありますが、終わり方はあまりにも爽やかです。ともあれホラーかどうかという難しいことを抜きにして、見応えのある丁寧に作られたとても良い映画でした。終映後には恒例のチャンピオン作品解説を行ったのですが、あの場面のあの小道具には別のあの映画と関係がある!など、映画トリビアから作品背景に潜む宗教観まで縦横無尽に話題が行き来する立板に水の素晴らしい解説でした(実は木村さん、上映前に予行練習を念入りにしていたのです)。
 
上映会の終了後に今回はさらにもうひと押し。スタジオシアターから同じフロアのstudio aに場所を変え、木村さんを囲んでのトークサロンを開催しました。参加自由、もしお時間あるならぜひ…とその場でご案内したにも関わらず、15名の方が残ってくださいました。木村さんがさらにマニアックな解説を加え、参加者も自由に感想を伝え合う自由な対話の場が生まれました。このトークサロン、来年度シネバトルのメニューに加えたいと思っておりますので、普段はオーディエンスとしてご参加のみなさんも、映画についてわいわいおしゃべりしてみたくなったらぜひご参加ください。
 
●●おまけ
木村チャンピオンはポッドキャストを発信しておられるのですが、このチャンピオン上映会についての回に担当者Hがゲストで出演しております。上映前準備やババドックのサウンドデザインの素晴らしさなどについてあれこれ語らせていただきました。ウェブサイト「キムタケのポッドキャスト」で公開されます。木村チャンピオンの名調子がたくさん聴けますので、ぜひこちらもお楽しみください。
 
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当日夜にチャンピオンから観客に配られたバレンタインデイならではプレゼント