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報告 2017年05月10日更新
【レポート】民話ゆうわ座 第四回「『食わず女房』を考える」
■ 日時:2017年3月12日(日)13:30−16:30
■ 会場:せんだいメディアテーク 1f オープンスクエア
■ 主催:せんだいメディアテーク、民話 声の図書室プロジェクト
(参考: https://www.smt.jp/projects/minwa/2017/03/4.html)
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「民話 ゆうわ座」は、先祖から語り継がれてきた民話の深い森を、みなさんと歩いて
みようとする集いであり、今回は『食わず女房』を参加者とともに考えた。
伊藤正子さんの『口のねぇ嫁ご』の語りの映像を視聴し、あまりなじみのない『食わず
女房』の話にふれ、そのあらすじをたしかめた。
『食わず女房』のあらすじをふまえて、いままで抱いてきた印象や感想を自由に述べ合っ
た。身勝手な男が助かる結末が腑に落ちないとか、異類婚姻譚として女房の正体がはっき
りしないとか、農家の嫁の食えない苦労話など、率直に意見が出された。
みやぎ民話の会が続けてきた採訪の営みと、その中で出会った『食わず女房』をめぐっ
て語られた満足に食えなかった嫁の苦労話を紹介し、食わない嫁を求めた独り身の男
とは何者かを考えた。
「食わないで稼ぐ」「人でない」者たちが活躍する民話の中の「異界」「異類」の姿を、
いくつかの話を紹介しながら考えた。
さまざまな伝承の『食わず女房』の語りの映像を視聴した。
現代に生きるわれわれが、『食わず女房』を身に切実な話として考える手がかりとして、
「話に支えられる」体験の事例が紹介された。
『食わず女房』について、伝承の語りや話題提供を手がかりに、さまざまな感想意見が
交換された。自身や身近な人々の体験を通して、苦しみから話が生み出されること、未
完成の話に自身を重ねて話を完成させること、異界の存在により豊かになることなど、
活発に意見が述べられた。
報告:小田嶋利江(みやぎ民話の会「民話 声の図書室」プロジェクトチーム)
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