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2016年08月14日更新 仙台前衛藝術の足跡を辿る デカダン義経置き土産

糸井貫二さんとの出会いを発端に、仙台での前衛表現を探る回路をどのように探ったらよいのだろうかといった関心が高じてくるなか、仙台で美術に携わってこられた方々の口から何人か挙がる名前があった。
美術以外で強く印象付けられたのは、その活動は60年代70年代よりやや時代は下がるようだが、主にテント芝居や舞踏の受け入れと紹介に尽力した「あべひげ」店主・阿部立男さんと、彼が代表を務めた制作団体〈南斗六星〉であった。

画家としては何よりも仙台での泰斗としての宮城輝夫である。
大学で教鞭をとりつつ、「ラブミー牧場」と「あべひげ」をサロンとして、近代における画家の自由な表現についてより積極的に示そうと努めたようである。
自身もそのサロンに通った一人である画家の増子静さんから、その当時のお話を伺うと、宮城は彼をとりまく若者にとっては、絵画表現と文学における同時代的流れの一端を紹介する役ともなり、また率先した実践者でもあったという印象だ。

ギャラリー・ターンアラウンドのカフェスペースをお借りして、宮城輝夫の薫陶を受け、かつまた今日、糸井貫二さんとの交流浅からぬこの増子静さんに、かつての宮城サロンの様子を伺うとともに、糸井貫二さんとの交流についても伺う。

増子さんが糸井さんの誕生日に作る水色のケーキがある。インタビュー以来、いつかは私も味わってみたいものだという想いが染みついてしまった。聞けばココナッツ風味なのだとか。仙台・ダダ・水色ココナッツケーキ……まったく接続しそうにないのだが、増子さんが描くドローイングよりもなお、彼女が受けた仙台の地での前衛の洗礼は、その書簡の包装であるとか、服や装飾品のコーディネイトなどと同等に、この水色ココナッツケーキに表象してきてはいまいか?…といった、食べてみたいいい訳ともなんともつかないような思いにかられた。

それはさておき、増子さんへのインタビューは、戦後近代の仙台での芸術における前衛の点を、どのように線として、あるいは線ならざる線として見ていくことが出来るのだろうかと、改めて、多元的であること、あるいはあろうとすることの捉えがたさに直面したインタビューともなった感がある。
(文・中西)
 

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