せんだいアートアニュアル2003

【写真】作品画像

作家

たんのそのこ

材質

陶土・灰・アクリル樹脂

作品説明

時間を止めたいと願う瞬間がある。自分は今、確かに生きていると強く実感した時だ。その実感が長くはとどまってくれぬ事をわかった上での願いであり、憧れなのかもしれない。何かをつかまえたはずだったのに、時間の流れの中、見失い忘れてしまう。生きていくという事はそのくり返しのように思える。しかし、手ごたえを感じて、又消えてというむなしい追いかけっこをくり返しているようにみえて本当は、着実に何かが自分の内側にはふりつもっているのいではないか。ふりつもったものは何かのきかっかけでかくはんされ、日常のすき間に突然出現する。のどもとまでつきあげてくるように、体中に実感が呼びおこされる。時の流れの中で失ったものと、その流れの中にあっても決して消えないもの。その2つのゆらぎを自分の内側で反すうしながら、出現と消滅がくり返される境界線をとらえ、その奥行きを表現したいと思っている。