せんだいアートアニュアル2003

Installation:BABEL

【写真】作品画像

作家

永岡大輔

材質

電源使用、アニメーション,TVモニター、ビデオプレーヤー、着ぐるみ、藁

作品説明

私が海外に滞在した時、語学力不足からコミュニケーションが全くとれなかったという経験があります。その為、毎日向かい合うのがいつも自分でした。その時に私が選んだのは、この語学の壁に対峙する精神力を得るような何か合理的な解決を求める事よりもむしろ逃避のようなものでした。または夢想の中で他の誰かを演じたり装ったり、あるいは自分を何か別の生き物に例える事で、自分を許せるようになったり強くなれる気がして満足する。今回は、この経験とプロセスを作品にできると思いました。普段の制作では、他者の主観に思いを馳せたりするところからはじめますが、この場合はそれとは逆。所謂、自分の部屋の外側にいる他者との関わりを一瞬断ち切る事で、自分の中にある他者と出会うことだったように思えます。そして自分と対峙することであらわれる他者、或いは等身大の小さなユニバース、これを表現しようと思います。具体的な制作方法は、まず自分のイメージの強い部分は、絵巻とは別にアニメーションを作り挿入し、色彩とモーションを加えます。今回は、アニメーションの音に、カリンバと言う楽器を使用しました。サウンドとして、台詞や効果音等を使うのではなく、自分の演奏したサウンドを使う事により、よりオリジナルな言語に近い形の作品を作れると思ったからです。そして、このアニメーションを使って、鑑賞者が私が夢想で出会った他者になるという設定でインスタレーションにします。