せんだいアートアニュアル2003

おかしの家−PRIVATE SPACE

【写真】作品画像

作家

冨樫昭裕

材質

ミクスメディア、〈アクリル絵具、フェルトペン、綿布、麻布、ビニール、ベニア、プリント布、紙、アクリル板、ホームペイント、木材、アイロンビーズ、電球、コード等)

作品説明

4点の組作品によるインスタレーション。コンセプト:私の幼少期の夢。樹上の家で午後を過すこと。お菓子の家・・・。思い出。暗闇の中で冷蔵庫を開けたときの神々しさ。現在の問題。住居をどうするか。食べ過ぎたいけど太りたくない葛藤。・・・。樹上の家、お菓子の家は一人の行いだが、この特別の時間、出来事を人に自慢したい心が根底に在る。今は借りた家に住んでいるが、いずれは気に入った自分の家をもちたい。そして、友人に見せたい。葛藤は、太った姿を人に見られたくないから、それを回避しようとすると起こるもの。もし一人だったらぶくぶく太れるかもしれない。暗闇の冷蔵庫の光があんなに神々しかったのは、食い物庫だからじゃないか。しかし食べなかった。その時食べていたら、今、葛藤なく食べていられたかもしれない。お菓子の家の願望は私の現在の二つの問題の起因となっているのだろうかと気付かされる。私の中に隠された(現実は求めない)理想の家は、お菓子の家。そういう意味でも隠れ家。私がお菓子の家を作るのは、作品の中で夢を達成し、理想を現実しようとしているからだ。作品が一つ出来上がるととても嬉しい。心の中の欠け落ちたピースがまた一つ埋められたような気がする。