せんだいアートアニュアル2003

ざわめきの時

【写真】作品画像

作家

新藤睦子

材質

陶芸作品6〜7点、光源5〜6個、天吊りスクリーン2枚

作品説明

制作が一段落ついたアトリエは静かで充実感があり、心地よい。土の時には息詰まるような関係であった作品も完成すると自分との距離が広がり気にならない。しかし、5,6日経つうちに“何か創りたい、何か創りたい”と心がざわめく。するとそれに呼応するように周囲の作品もざわめきだして土だった時のエネルギーを発する。せかされるようにアイディアスケッチを繰り返しているうちに、自分がろくろに乗せられている土なのか、制作者なのか区別がつかなくなる。アトリエのざわめきは続く。制作に没頭して自分を失える場所。そこが自分の隠れ家である。ざわめきという目に見えないものを表現するために、作品をろくろに置いて回し、陰に変化を与え、光源を複数にして濃淡を付けるなどした。内側から外に向けて映した影は作品の放つエネルギーである。