せんだいアートアニュアル2003

生生 韜晦無能ブルニアラズ

【写真】作品画像

作家

笹かまぼ子

材質

ミクストメディア

作品説明

「隠れ家」は<他者>との邂逅を欲する装置である。幼児の自己認識の過程に顕著なようにひとが<私>なるものを生育するには、彼と<世界>を同じくする<他者>の存在が欠かせない。<私>とは、常に<他者>との<間>にたち現れるものであるのだ。この、時事によって不断に変容し続ける不連続的存在の総体こそが<私>であるならば、それはその内外とともに生きている<他者>の広がり、即ち<世界>としてあるのだともいえる。ひとは<私>を求めるとき、このようにして<他者>をも求めるのである。「隠れ家」においてなされるのは、まさにこの<他者>探索という行為ではないだろうか。そこから常に新しい<世界>をたちあげるべく機能する装置としてこそ、「隠れ家」は肝要であり続けるのだ。