せんだいアートアニュアル2003

体内回帰vol.3

【写真】作品画像

作家

みまきんぐ

材質

プロジェクター、スクリーン、白ビニール布、白布、衝立、椅子

作品説明

自分の居場所。自分が自分であることができる場所。全くの無防備でいても大丈夫な場所。冷たい屋上へつづく階段の踊り場や、体育館の倉庫裏。図書館やのぼり棒の上。とりあえず多くの目から離れ、自分の世界にひたれる所。それを探し続けていたのは小学校の頃のこと。最後にたどりついたのが真夏の空き家だった。そこはひんやりとしていてカビ臭く、確実に現実から遊離していた。そして確実に癒された。この経験を元に、廃材を使ったインスタレーションを造る。それは扉のフレームを持ち、街角や路地裏、小学校跡や、古墳といった自分の居場所となりうる場所に出現させた。(扉を超えた扉1999〜2001)やがてその時その時の自分の居場所の状態を夢が表すようになってきた。それは自分の部屋として現れる。時には部屋の外で耳をつんざかんばかりの雷鳴がとどろき、時に部屋を奪われ他の人が住み、時には間取りが広がったり狭くなってたり、得体の知れないとにかく不気味な部屋を内蔵してたりした。全く隠れ家を失っていた時に見た夢は自分の身体に鉄の棒がつきささる夢だった。隠れ家の最後のとりでは身体。体内には泣けるほど懐かしい、夢とうつつのはざまにある、誰もが知っている場所(空間)がある。それを和紙で造った鍾乳洞で再現してみた。そこを裸足で通る、またはゆったりと横たわる。(体内回帰2001〜)平行して怪しい癒し系、代替医療の代替医療もいいところ美術診療を名乗る「みまきんぐ診療所」をイベントごとに開設。背中を触診して全くフィクションだが説得力のある作品的みまきんぐ流、絵描きのカルテを描きためてきた。あとわずかで100名に達する・今回はその一部を映像化して最後の砦である身体とやんわりと向き合える空間を「最後の隠れ家」として表したい。