せんだいアートアニュアル2005
出品作品情報
[139] 無題
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- 作家名
- 松永千春
- 素材、材料
- 古本、色鉛筆、カラープリント
- サイズ
- 180cm×150cm×20cm
- 展示フロア
- 5階
- 作品の説明
- 文庫本を空色の色鉛筆で塗り潰す作品です。私は何かに行き詰まったときによく本を開きます。そこにはいくらかの教訓や救いのようなものがあるからです。しかし現実には、部屋の中で一人本を読んでいても何も解決しない、得られないものばかりです。いつの間にか積み重なっていく本の量に比べて、一度読んだ本の内容を忘れて、読み返していたりする相変わらずな自分がいます。小さい頃はイヤなことも悲しかったことも忘れるのが早かったなぁと思います。本はおろか、親や先生や友達にすら頼らずに、自然と立ち直っていました。年を重ねるにつれ、言葉や思想にばかり頼り、結論や答えを探している、そんな自分に気づいてはっとします。ふと、外に出て思いきり走る、草むらに寝ころがる、青い空を見上げる。すると何だか全てうまくいくような気がしてくる、そんなことが今はずっと大切で、私の至福のときのような気がしています。これは今も変らずそんな気持ちにさせてくれる空への強い憧れと、敬意と感謝の気持ちで作った作品です。
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