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せんだいメディアテーク
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こえシネマ

第3回「その日から当事者になった/感情は誘われるⅡ」

日時:2012 年 12 月 22 日(土)17:00−21:00
会場:せんだいメディアテーク1F オープンスクエア
参加無料(申込不要)直接会場へお越しください。
主催:映像サーベイヤーズ/せんだいメディアテーク

2011年3月11日から、私たちは大きな災害の「当事者」として生活していくことを余儀なくされています。
しかし、実際に体験していることは人によってそれぞれ違っており、感じていること・見ていることも様々なのではないでしょうか。
今回は第一部として、被災者の声を集めた作品を上映し、その背景や感想を語り合いながら、当事者たちの思い・言葉・映像に焦点をあてていきます。第二部は、前回に引き続き「映像と音」をテーマに、『測量技師たち』のサイレント上映や生演奏を付けた上映を行い、音の記憶や印象について語り合います。
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17:00−19:20 第1部テーマ「その日から当事者になった」

ゲスト 小森はるか、瀬尾なつみ
被災者の声を集めた作品を上映し、その背景や感想を語り合いながら、当事者たちの思い・言葉・映像に焦点をあてていきます。
 
==上映作品===
「あいだのことば」(60分)
制作:小森はるか
撮影時:2011年4月−2012年2月
撮影地:宮城県石巻市、岩手県陸前高田市
作品説明:3月末から小森はるか,瀬尾なつみは東北沿岸部に通い記録活動を続けている。これは石巻市と陸前高田市で私達が出会った3つのお家の会話の記録である。(わすれン!星空と路より転載)
 

「あなたは2011年3月11日をどのように過ごしましたか?」(20 分)
監督:高野裕之
撮影時期:2011年5−6月
撮影地:宮城県仙台市

作品説明:震災直後、私が住んでいる仙台市内陸部ではライフライン・燃料・食料等が無くなり、かつてない混乱に陥った。2011年5月と6月、記憶が曖昧になる前に仙台市内に住んでいる友人たちに3月11日の行動を詳細に語ってもらったインタビューです。

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19:30~21:00 第2部テーマ「感情は誘われるⅡ」

前回に引き続き「映像と音」をテーマに、『測量技師たち』のサイレント上映や生演奏を付けた上映を行い、音の記憶や印象について語り合います。
 

==上映作品===
「測量技師たち」(13分)
監督:志子田勇
撮影時期:2011年7月
撮影地:岩手県陸前高田市
キャスト:柳沢茂樹 古舘完治 松浦祐也 保田泰志 上原和彦 鈴木直登

あらすじ:世界の位置を測り、新たな街を築くために。六人の測量技師たちは津波で流され、荒野となった街に足を踏み入れる。平板測量とレベル測量を用い、ひとつひとつの世界の輪郭を紙面に書き写していく。時折、野球やサッカーに興じる彼ら労働はやがて、映画制作の所作へと変っていくのだった。しかし、その日の晩、あってはならない制御する事のできない存在の到来に彼らは目を背けてしまう・・・。ここから、一体何を描けばいいというのか?
 

「ルート45 フルスロットル」
監督:高野裕之
撮影時期:2012年6月と11月
撮影地:国道45号線と沿岸部沿線(青森県、岩手県、宮城県)

作品説明:被災地沿岸部沿いの国道45号線+沿線を正面固定の車載カメラで撮影した映像作品です。八戸から仙台まで車で走るだけでも様々な風景がありました。こえシネマ第2回で上映した「ルート45」の釜石~仙台までの映像を追加した完全版です。

詳細は、映像サーベイヤーズのブログをご覧ください
http://koecinema.blogspot.jp/
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こえシネマとは

2011年3月11日から1年以上がたった今、人の中で埋もれたままになっている言葉を、映像を見て感想を語り合うことで掘り起こしたいと思っています。「被災地」と呼ばれながら様々な状況にある各地域、東北から遠く離れた場所、人と人の間、時間の経過など、今の私たちを取り巻くいろいろな形の「距離」を上映の大きなテーマにしつつ、参加者が自由に話す場を作ることで、「震災後を生きる」個人の声を記録に残していきます。
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映像サーベイヤーズとは

震災後に映画でつながった吉田文恵(OL)、高野裕之(建設業)、志子田勇(映画作家)、村田怜央(劇場スタッフ)の4人による上映会チームです。上映会の原点に返りつつ、新しい上映会をつくる団体を目指しています。

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問合せメールアドレス(映像サーベイヤーズ): koecinema@gmail.com

第3回こえシネマ「その日から当事者になった/感情は誘われるⅡ」レポート

日時:2012 年 12 月 22 日(土)17:00−21:00
会場:せんだいメディアテーク1F オープンスクエア
主催:映像サーベイヤーズ/せんだいメディアテーク



第1部テーマ「その日から当事者になった」

ゲスト 小森はるか 瀬尾なつみ

上映作品
「あいだのことば」
制作::小森はるか
撮影時期:2011 年4 月~ 2012 年2 月
撮影地:宮城県石巻市、岩手県陸前高田市

「あなたは2011年3月11日をどのように過ごしましたか?」
監督:高野裕之
撮影時期:2011 年5 ~ 6 月
撮影地:宮城県仙台市



第2部テーマ「感情は誘われるⅡ」

上映作品
「測量技師たち」
監督:志子田勇
撮影時期:2011 年7 月
撮影地:岩手県陸前高田市

「ルート45 フルスロットル」
監督:高野裕之
撮影時期:2012年6月と11月
撮影地:国道45号線と沿岸部沿線(青森県、岩手県、宮城県)

「測量技師たち」サイレント上映と演奏
演奏 森谷将之

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こえシネマ第3回は、第1部のテーマを「その日から当事者になった」、第2部のテーマを「感情は誘われるⅡ」として、2部構成の上映会となりました。
第1部では、まず、仙台市内陸部で被災した3人へのインタビュー映像『あなたは2011年3月11日をどのように過ごしましたか?』を上映し、次に第1回のこえシネマで一部だけ上映した『あいだのことば』をフルバージョンで上映しました。
上映後のトークでは「防災・減災に役立つことがたくさん映り込んでいる」といった声から、映像の中で震災について語る人たちに触発されてか、愛知で経験した震災当日の出来事を話す方や、「『あいだのことば』に出てくる日付を見ながら、自分はその日何をしていただろうかと思い出しながら見ていた」といった感想が出ました。
また、大阪から来たという方からは「今日見た映像は、テレビで見てきたものとは全く違っていて、見ることができて良かった」という声もありました。

ゲストの小森はるかさんと瀬尾なつみさんは、東京から岩手県に移住して、小森さんは映像、瀬尾さんは絵と文章によって記録活動を行っているとのことで、会場では瀬尾さんが『あいだのことば』に登場した陸前高田に住む女性の言葉を記録した冊子も配られました。
小森さんと瀬尾さんは、震災直後から現在まで記録活動を続けていることから、何度も自分たちの記録を見返すことで、防災や仮設住宅の暮らしに役立ちそうなことや、映っている人の表情とか背景から感じ取れることなど、改めていろいろなことが見えてくるといった話や、陸前高田に流れる時間と向き合い、その時間を記録に留めようとしている活動の様子などを話していただきました。





休憩をはさんだ後の第2部では、国道45号線と青森県、岩手県、宮城県の沿岸部沿線を車載カメラで撮影した『ルート45 フルスロットル』と『測量技師た』の上映を行いました。
第2部は「音と映像」をテーマにしていて、『ルート45』には車載映像に次々と多様なジャンルの音楽が付けられていたことから、会場のオープンスクエアでは、通りすがりに足を止めて映像を見ている人もかなり見受けられました。
続けて上映した『測量技師た』は毎回こえシネマで取り上げてきた作品ですが、今回はいつもより大きいスクリーンを使うということで、音量を上げたフルボリュームバージョンでの上映となりました。
上映後には『測量技師たち』の整音を担当された彌榮裕樹さんから、撮影時に録音したものが使えるような音ではなかったため、一から音の景色を作らなければならなかったことや、映っているロケーションとその中で演じる俳優たちの姿を基にしながら、音で表現しようとした景色の解説がありました。また、震災の前年にこの辺りを彌榮さんが訪れていて録った音も一部使用されているという話も出てきました。

今回のフルボリュームバージョンで、彌榮さんが意図した音による景色というのは、より鮮明に感じられたかもしれません。実際に、会場からは「何度か『測量技師たち』を見てきているが、こんなショットがあったかなと思うような、音によって違って見えたシーンがいくつかあって興味深かった」という声が聞かれました。





2作品を比較して、「『ルート45』は、音に気をとられて映像が残らない感じがしたが、『測量技師たち』の音楽は映像を印象付けつつ、かといって感情を強要するような押しつけがましさもなかったので、落ち着いて見ることができた」という感想もありました。それに対し、『測量技師たち』の音楽を担当された森谷将之さんからは、「音楽をやっている以上、エモーショナルなものや若干のあざとさはあるものと思っているので、出てきた感想が意外だった。もちろんバランスなどは考えたが、自分の中ではまず第一に映画音楽を作るという意識だったので、あえて感情を排すとか、押し付けることをする・しないなど考えていたわけではなかった」という話がありました。
このやり取りに関連して、「『ルート45』を見ていて、知らない場所が映っているときには音によって映像が頭に入っていかないということは私も感じたが、よく知る場所が出てきたときには、やはり映っているものに意識が行って、その時には音は関係ない、聞こえないような状態になっていた。自分の知っている場所の映像だと音は聴こえなくなったりより強くなったりするのかもしれないと思った」といった感想や、「以前にも『測量技師たち』を見ているが、今回は一つの映画としてとらえてある程度の距離を持って見られたので、付けれられている音楽についても冷静に解釈ができた。しかし先ほどの話に出てきたように、知っている場所の映像だと音の聞こえ方も変わってくると私も思ったので、陸前高田に住んでいる人たちには複雑な感情が生まれるだろうなと思う」といった感想も出てきました。

第2部のトークでは、音と映像から感じることは受け手によって違うのは当然のことながら、他の人の感想を聞くことで新たな気付きが生まれ、音と映像の関係についてより考えを深められる話が交わされたように思います。
最後は、『測量技師たち』をサイレントで上映し、そこに森谷さんの生演奏が付けられ、これまで3回にわたるこえシネマをじっくりと反芻するような時間とともに、約4時間の上映会の幕は閉じました。

報告: 映像サーベイヤーズ 吉田文恵

※このレポートは、こえシネマのブログにも掲載しております。
ブログ: http://koecinema.blogspot.jp/



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