録音図書の新刊案内 平成17年12月号 録音図書の新刊案内です。新刊につきましてはご希望が多いため、1回の貸し出しにつき1タイトルのみの貸し出しとさせていただきます。なお、貸し出しリクエストの際には、「12月号新刊案内の何番」と番号でリクエストいただいても結構です。今回は、カセットテープ図書を10タイトル、デイジー図書を2タイトル紹介します。図書を聞き終わったあとは、テープは巻き取ってから、デイジー図書は図書の先頭に戻してからお返し下さい。メディアテークのテープ図書にはA面の方のみ点字シールが付いていますので、シールが付いている方を上にしてケースに入れて下さい。 まず、カセットテープ図書から紹介します。 [小説・エッセイなど] 1.ブラフマンの埋葬   小川洋子 著 全3巻 270分 夏のある日、家の軒先に現れた小さな動物と青年との、出会いと別れを淡々と描いた作品。 青年は、雑貨屋の娘にブラフマンをあわせる。ブラフマンは白くてすべすべしたふくらはぎをなめたい様子だったが、娘はブラフマンに触れようとはしない・・・・・。あたたかくて、せつなくて、ノスタルジックな世界を味わってください。 2.祝辞  幸田 文 著  全1巻 71分 久夫(ひさお)と甲斐子(かいこ)の結婚披露宴は、大勢の祝い客で華やいでいた。祝辞の打止めのような形で年配者が指名された。彼の祝辞は、異色のちょっと刺激的なものだった。 3.逃避行 篠田節子 著  全6巻 540分 心の通い合わなくなった夫や子どもと暮らす50代の主婦、妙子(たえこ)。愛犬のポポはそんな彼女が唯一信頼できる大切な存在だ。ところがある日、そのポポが隣家の子どもをかみ殺してしまう。非は子どもにあるにも関わらず、世間体から犬を処分しようとする家族と決別して、妙子はポポを連れて家を出る。行く当てもなく頼れる人もいない妙子とポポの逃避行がはじまった。 4.嗤う闇  乃南アサ 著 全7巻 630分 晴れて巡査部長に昇進した貴子は、それに伴って隅田川東署に移動した。ある日、夜勤明けの彼女を迎えに来た恋人の昴一(こういち)は、レイプ事件の現場に行き合わせ、携帯で通報する。事件は未遂に終わったが、何故か被害者の女性は昴一が犯人だと頑なに主張する(表題作)。ご存知・音道貴子(おとみち たかこ)が、個性派の同僚たちに揉まれながら四つの事件に挑む、人気短編シリーズ第3弾! 5.とんぼがえりで日が暮れて 灰谷健次郎 著 全4巻 360分 なにげない日常の中の深いやさしさ、心の扉をそっと叩く心あたたまる灰谷童話9編。 6. 棺(かん)  水上勉(みずかみつとむ) 著 全1巻 43分 何度読み返しても、その度に涙を流してしまう。別段、会話らしい会話をせずとも互いの気持ちが分かり合っている老夫婦の淡々とした愛情とはなんと高潔ですさまじいものだろう。そんな事を改めて痛感させられる。 7.バースへの帰還  ピーター・ラヴゼイ 著 全11巻 990分 ミステリーの幕開けは、殺人犯の脱獄。彼は、警察の副署長の娘を誘拐し、 かつて自分を逮捕した、今は失業中の元警視を交渉相手に指名する。要求は、自分が殺人犯として逮捕された事件の洗い直しであった。不屈の刑事魂が、過去と現在2つの事件を結び付け解明していく。英国ミステリーの名手が放つ、伝統的英国ミステリー。英国の町の風景描写や、ちょっとしたところにユーモアがちりばめられた、傑作です。 8.恋文 連城三紀彦 著 全2巻 160分 ピンクのマニキュアで窓ガラスいっぱいに書いた花吹雪を残し、将一(しょういち)は突然家を出て行った。結婚10年目、一人息子の優(すぐる)と3人、平凡で幸せな生活と思っていたしっかり者の郷子(きょうこ)の驚きと戸惑い。究極の恋文とは。 [時代小説] 9.生きる  乙川優三郎(おとかわゆうざぶろう)著 全3巻 270分 藩主、飛騨守(ひだのかみ)の容態が思わしくなかった。飛騨守に重用され、今では五百石の家柄の石田又右衛門(またえもん)は殿が身罷ったときには、報恩のために後を追う覚悟を決めていた。が、藩命により追腹を禁じられた。恥をさらしても、たったひとりでも生きなければならない・・・。 10.春の狐  永井路子 著  全1巻 55分 たよが康之助(こうのすけ)と名乗るその男と、ずるずる同居するようになったのは、ふとした誤解からだった。いや、康之助などという名前はどうでもいい。はじめから偽名だと察しはついていたのだから...。 次に、デイジー図書を2タイトル紹介します。 11.リトル・バイ・リトル 島本理生(しまもとりお) 著 全1枚 270分 高校を卒業したばかりの橘ふみは、母親と、父親違いの小学2年生になる妹との3人暮らし。ある日、ふみはキックボクシングの選手だという青年・周(しゅう)と出会う。子どもっぽい母親、気の強い周のお姉さん、行方のわからない実父。ふみは、周との恋を育てながら、「少しずつ(little by little)」彼らとの距離を縮めていく。高校生作家、初の芥川賞候補作。 12.愛と永遠の青い空  辻 仁成(つじひとなり) 著 全1枚  469分 以前カセットテープ図書で紹介したもののデイジー版です。 元・軍人パイロット、周作は、妻に自殺という残酷な形で先立たれ、独立した子どもたちにもその頑固な気質ゆえに敬遠されるという、孤独な老いの日々を過ごしている。そんな彼に久しぶりに再会した戦友の一人が唐突に持ちかける。「これから真珠湾に行こう」真珠湾攻撃を経験したパイロット三人が、50年後のハワイで愛と生の復活を賭けて決行したあるプランとは...。 せんだいメディアテーク 電話 022-713-4484