T5開催までの流れ
■イベント企画までの流れときっかけ
・「作りたい映画がたくさんある」という言う方は少なくないはずです。学生という環境は、わりとそういった活動をしやすい環境にあります。しかし、卒業して社会人になったら？
以前から、「映画を作り続けるにはどうしたら良いのだろう？」と考えていました。
・大学在学中から活動しはじめ、８９年から団体として新聞発行（「インディーズ・ムービー」）や上映会を開催してきたのですが、２年前、上映作品選定の段階で、団体では上映を見送ることになってしまった作品が多数あり、それらを上映するためや、個人として活動することでやれることが増えると思い、個人で「インディーズムービー・ステーション」という企画をはじめ、個人レベルでの上映をはじめました。
・全国の面白いといわれる作品を集めて無料上映し、「インディーズで面白い作品がある／そして、自分も作れるかも知れない」という事を多くの人に知ってもらい、映像製作の土壌を作れたらと思っての事です。
（これまでも基本姿勢は全くかわりませんでしたが。）ジャンルファンだけでなく、普通の方に知っていただけるように。
「ほしのこえ」など、団体での選考基準にはもれたものの、「一般の人がみて面白いと思えるもの」を中心にラインナップを決め、データをまとめてパンフレットにして会場で配付、アンケートをとって監督に送り、観客の反応を月刊の新聞で報告という方法です。（原始的ですね／笑）それによって、「自主映像が定期的に上映され、存在できる場」ができるのではと考えました。
１年間で（もともと１年で終わらせるつもりでした）企画は終了。やっと自分の作品に集中できる・・・と思ったのですが、ふとあることを思い付きました。
関東や関西の作家さん達とお会いすると、積極的に地元以外での上映会を開いたり、交流がさかんだったりするのに、なぜかこちらでは、人の作品は見ないという作家さんが時々いらっしゃいます。やはり、製作される作品と観客の数が関東や関西と比べて絶対的に少なく、そのため情報と接する機会が少いためでしょうか。
上記した「自分の映画をいろんな所で見てもらいたい」という希望はあるのに。
この１年上映してきた作品は監督と連絡がついている。上映作品の資料もデータで残っている。この１年分のプログラムで東北各県をまわって上映会ができるのではないだろうか？
東北各県の映像作家さん達に連絡をとって、共同で同一プログラムの定期上映会はできないだろうか？準備段階として手始めに一番やりやすい、データも作品も残っていて一般の方も食い付きやすい、昨年の上映会のラインナップで開催し、おいおい各県から作品をつのって巡回上映ができないだろうか？東北各県のイベント紹介もかねて、各県の作家同士で情報交換や上映の場所確保ができるのでは？また、各県共同ならそれぞれのタウン誌などに働きかけて、タウン誌合同企画での作品募集や進行状況のレポート記事などで盛り上げる合同のコンペティションや映画祭の開催も可能なのでは？・・・なんて考えました。
■というわけで、昨年５月から、東北５県（秋田だけはいろいろ問い合わせたりしたのですが、残念ながら協力はいただけませんでした。）で上映会をやってみました。
協力いただいたのは、青森の「indian films」/ 山形の「自主製作映像祭」/岩手の「みちのくニューシネマ」/福島の佐藤監督。本当に突然のお願いというのに、本当に快く協力いただきました。皆さん、本当に作品と環境のことを真剣に考えていらっしゃいます。
岩手の映画監督、藤井純一様には、岩手の映像作家/アラカワケンスケさんや当時福島フォーラムにいらした高橋さんを御紹介いただき、大変お世話になりました。
開催に燗しては、上映順や会場、入場料の有無、タイミング等は各県の方にお任せして、やりやすいかたちでお願いしました。
特に岩手の「みちのくニューシネマ」の阿部さんは、「えさし藤原の郷 映像館」を会場に隔月で上映会を開催。こちらで紹介させていただいた作品だけでなく、御自分でコンタクトをとった監督さんの作品を上映したりと、充実したイベントを展開して下さいました。（評判もかなり良かった様です。）
■１年の上映を終え、各県の方々のお話を伺っている内に、本当にいろいろな考え方ややり方があり、価値観もそれぞれだと勉強させていただきました。国が違えば環境も認識も地域差があります。
この違いをぶつけあったら、作品でも座談会でも面白くなりそうですし今後の役に立つのではと思い、T5の開催となったわけです。（詳しい内容に関しては、参加いただいた皆様による本紙のレポートを御参照ください。）
■今後の展開ですが、各県へのリンクの窓口として、簡単な情報ヘッドラインと解説のある、合同のHPとかがあれば助かるかな・・・と思いますので、ちょっとやってみようと思っています。だれかやってくれる方はいませんでしょうか（笑）
■御参加いただいた皆様、本当にありがとうございました。
リアスフィルム／きしなみきよふみ