■レポート:宮城■

きしなみきよふみ(リアスフィルム)
鈴木直樹(AOGP代表)
角田まゆみ(ショートピース代表)
ミツヅカヤスオ(観客参加/映像作家)
秋山仁(観客参加)
匿名希望(観客参加)

きしなみきよふみ(リアスフィルム)

■まずは参加/協力してくださった皆様、本当にありがとうございました。心より御礼申し上げます。

■インディーズ映画にとって最良の環境というのはどんな環境でしょう。
・良い物ができるようにがんばるのは当然のことですが、作り手としていえば、映画を作るための努力を笑われない環境がまずほしいですね。
 音楽や芝居などは地方でも社会人で活動して評価されている方は沢山います。一般の人々に認識してもらう環境があればかなり助かります。
・そして、たくさんの人に見てもらえるように、情報流通や公開の場が必要ということに。「地方」という多少ハンデのある環境ですから、他の方が作った作品を見たりその製作状況が知りたいし、自作がいろいろな所で公開されてほしい。
・まずプロになって作る個人で作り続けるという2つの選択がある。/個人で作品を作ることを選んだ場合、解決すべき問題は山積み。・・・・ということは、どうなればいいかな。そんなところから活動しはじめました。

・詳しくは右の方に書きましたが、本当にゆるゆるの準備&進行で申し訳ありませんでした。  まずタイムテーブルの問題や形式の問題についてですが、「事前に打ち合わせて、ボードに問題点を書き出すなど、パネルディスカッション的な物にしたらどうでしょう?」という意見も、実ははじめにありましたが、あえてやりませんでした。
 インディーズの作家さんの集まりなどで何度かあったことなのですが、打ち合わせでは話が弾むのに本番は急に大人しくなるとか、それぞれでは互いについて批判するのに、本人の前では黙り込んで、帰ってからwebで吐き出すとか、どうも治まりの悪い思いをしたことが多々ありました。
 話が乗ったところでタイムリミットとか、あいさつしてお終いとか、そう言ったことだけはさけたいと思いました。どうせ完璧にいかないのなら、とことん語り合うのが良いのでは?との判断です。 (面倒くさいからじゃありませんよ。本当ですよ/笑)長過ぎるのではという意見もありましたが、実際に座談会になってますと、4時間以上語ってもまだ足りないと言う展開でした。
・「一人っ子体質」というのがあります。一つところに子供達を何人か集めて遊び道具を与える。取り合いなどが始まるが、そのうち自然とコミュニケーションがとれて、遊ぶ順番が決まってゆくが、中にはひとり離れて、誰もいなくなってから遊び道具に手を出す子供がいる。
 それは100%一人っ子だと言うあれです。「自分が注目されないなら一人で遊ぶ/みんなと公平な立場になるための努力が苦手」とかいう現象です。プロが「大人」。同じ立場の(地方)映像作家が「仲間」とすると、インディーズ映像作家は、そのコミューンの中ではそうでもないのに、いざ同種の他者同士で集まると「一人っ子体質」になっているのではないかと思う時があります。(特に仙台ですね。)

・物を作る時の必要悪と言う気もしますが、今回上映時間とかぶせてまで座談会を長時間設定し、乱暴な進行にした理由はこれでした。とにかく顔をあわせて語ってみないと。陣取りじゃなくて、そこからじゃなければ何も始まらないと思ったからです。
 成果は?正直すぐにうまれる物は何もでないでしょう。 でも、やっておかなければならないことだったと思っています。
・皆様、本当に有り難うございました。また何かありました時には、どうぞよろしくお願いいたします。

きしなみきよふみ
リアスフィルム代表。高校時代から映像製作を開始。大学卒業後も映像製作/上映活動を続け、情報紙「インディーズ・ムービー」は、89年より発行し続け、もうすぐ100号を迎える。美術造型も行い、特種造型や芝居の宣伝美術などの活動も行う。
来年2月に、せんだいメディアテークで「リアスフィルム・フェスティバル(仮)」の開催が決定している。


AOGPロゴ
鈴木直樹(AOGP代表)
http://www010.upp.so-net.ne.jp/A_O_GaRDeN/index.html

 各映画祭において作品を上映する側がいかに制作者・観客双方のことを考えていないかが露呈してしまった座談会だと思います。一般の方々はきっと聞いていてがっかりしたのではないでしょうか。
 仙台短篇映画祭と一般の方々を除けば、他団体はうちの団体と共通の問題意識持っていなかったことが分かり、また特にめあたらしい意見も出なかったので残念に思いました。

AOGP代表 鈴木直樹

AOGP「AKAIRAI O-HOLIC GARDEN PROJECT」
映像・映画をたのしむ人たちのコミュニティーづくりをめざし仙台を 拠点に活動している団体。みる人、つくる人から、映像以外の分野で活動している人たちまでもまきこんで、映像を媒介に多くの人たちが出会い、ふれあうことのできる場を、 さまざまなかたちで提供していこうという、現在仙台でもっとも活動的な団体です。


ショートピースロゴ
角田まゆみ(ショートピース代表)
http://www.shortpiece.com/

 映画祭を作るにしても、映画を作るにしても、すべての何かを生み出す場合において、大切なのは批評されるという健全さのように思います。
 仙台はいろいろな集団がひしめき合って、それぞれが動いていますが、あまりにも独自にやっているので、結局ひとりよがりになってしまいがちです。ですから自戒も込めて、今後は様々な人の眼にさらされながら、 映画祭を作っていけたらいいなあと思います。

ショートピース 仙台短編映画祭
2001年から開催。昨年だけで観客動員数1000人以上を記録。仙台最大手の映像イベント。
コンペティションを開催・俳優や有名詠が監督を招いてのトークなど、映画祭に恥じない面白い企画がめじろ押し。本年も9月に開催。


ミツヅカヤスオ(観客参加/映像作家)
http://www.geocities.co.jp/Hollywood-Cinema/1124/

 今年のPFFアワードの応募総数655本、そのうち東北からは7本とさびしい限りです。座談会では情熱を持って活動している人が確かにいることを知って、勇気づけられました。

 自主制作映画には内向的だとか、貧乏くさいなどのイメージがあると思うのですが、岩手の「MOVIN’3」のスタッフがオシャレでかっこいい上映会をやり、結果を残しているのには自主製作映画の今後の展望が見えるような気がします。

ミツヅカヤスオ
映画製作や、劇団の公演のメイキングビデオなどを製作する傍ら、HP「MOVIE's HIGH」で仙台のインディーズムービー製作/上映情報を発信。


秋山仁(観客参加)

 結局座談会に問題があるとしたら、ホスト役がいなかったことに集約されると思いますが。もっとつっこんだ言い方をすれば誰がホスト役になればいいかわからなかったってこと。
 机がロの字型になっていてゲストと見学に来た人との間に垣根ができていたり、お茶がでなかったり(個人的なことですな)、話の膨らませ方が中途半端だったり、何が議題として上がっているのかわかりにくかったり、これらのことが問題になるのは会場全体を見回して、問題が発生したらすぐにその場で判断を下すホスト役に回る人がいなかったってことだと思います。
 もちろんホスト役がいなくてもうまく会がまとまることもあるんですが、そういうときは個人個人が周りに気を使うことが条件となるので、今回のようにゲストとして来ている人が多いときは、あまり周囲に気を配ると逆にゲストとしての規範を逸脱すると考える人もいるんじゃないかと思うので、やはりホスト役が必要だったんじゃないかなと思います。


匿名希望(観客参加)

 12時からの岩手県のインディーズ映画上映会を観、その後「東北映像製作会議」第一部を見せていただきました。
 岩手県のは、作品予告編と、短編の映画でした。「んん?」というのから「これ、ぜひ本編を観てみたいなあ」と思わせるものまで、様々でした。「Little Morioka Story」は映像もおしゃれだしお話も面白そうだし、観てみたいです。”街が主役”っぽいけど、仙台でそういう趣旨で作ったらどうなるかな・・・なんて考えてしまいました。
 短編のも、ほんとにアニメーションあり、スケッチ風実写あり ショートコントっぽいものありで、いろいろ楽しめました。映像でいろんなことできるんだなあ、みんな頑張ってんなあ。と思いました。

 座談会のほうでは、東北各地のインディーズ上映団体が、どんなふうに活動を展開しているかを興味深く聞きました。やはりそれぞれ特色があって、戦略とかが違って、面白いです。「見せる」ほうでも、やっぱりみんな、頑張ってるんですね。
 上映会を催す人でありつつ一方、アーティストでもある方が多いので、なかなかこういった座談会をまとめるのは大変かと思います。でも情報交換&、作品を観る以外にお互い刺激を受ける場、というのは、とても重要だと感じました。見学する人ももっといてもいいのに。もったいないです。
 (一応匿名で ・ ふだんは演劇ファンのFより)