活版印刷ワークショップ

smtデザイン講座 活版印刷 ワークショップ 活動記録

活版印刷 中学生のための活版ワークショップ Vol.2

今回はクリスマスカード作り!

今回の活版は中学生のためのクリスマスカード作り。夏の企画、親子で作るサマーカード作りに続くスチューデント企画第2弾です。前回は小学生と親御さんが中心でしたが、今回は中学生の皆さんオンリーの参加。中心的だったのは長町中学校の仲良し4人組の皆さん。普段は学校で演劇部に所属する女の子たちですが、この日は朝からみんなカードデザイナーへとなりきっています。ジーンズ地のエプロンに着替えたらワークショップスタート。

最初から長い話は無し、自己紹介の後すぐにカッパン工房探検に出かけました。活字を一つ手にとって見ます。実際の重さ、固さを体験して中学生たちはとても興味深そうです。

宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』にある主人公ジョバンニは活版所で活字をひろっているという描写から活版での作品制作やワークショップにはまってしまったという宇津井さん。今日は中学生たちのカード作りのお世話をしていただきました。宇津井さんをはじめとしたサポートの方々の助けで、すぐに原稿作りに入ります。前回のワークショップの反省を踏まえ、あらかじめほぼ定型のハガキ印刷用キットを用意しておき、その中で文字を組んでみたり、文字の種類や大きさを変えてみたり、イラストの種類を変えてみたり、とデザインを楽しんで貰いました。

イラストは樹脂板で加工してある中から絵を選んで貰いましたが、クリスマスの風物にあったイラストよりも、動物のキャラクターや、冬の花火等、中学生が本当に好きなもののイラストの方が人気となりました。

前回の反省から、色を多くすると一日では刷りきれないので、今回も一版一色(今回は薄い水色と深緑色)での印刷を体験してもらいます。一人だけ、午前から始めていた女の子はアルファベットだけで言葉を構成していたことが功を奏し、午後一番には最初の印刷が終わりました

ところが、後半のチームは植字台での組みや試し刷りがなかなか終わりません。さらにハプニングも発生。複雑な色選びをしてしまった為にインキの混色が困難で、なかなか見本通りの色が出来ません。後で聞いた話によるとインキの配合を修得するには約10年くらいかかるのだそうです。宇津井さんも頑張ってくれましたが、学生の皆さんの希望とは差があるようです。研究会の代表の菊地さんの力を借りてなんとかクリア。午後は印刷が中心ですが、ほとんどの子が焦り気味になってきます。こんな時は「飴の時間」です。前出の宇津井さんや遠藤さんといったサポーターのお姉さんたちが飴を配りながら、完成の途上にある子ども達をケアします。しかし、最後の子が終わったのは終了予定時刻を二時間もオーバー。これも次回の課題です。ともあれ最後の子が出来たときは歓声が上がりました。

片づけ、掃除までも手が回ると良かったですね。これも課題です。しかし今回、面白かったのは参加者の言葉です。
「メリークリスマス」とするだけでなく、「Merry Xmas でげすよ→」だとか、「目梨栗ですじゃ。(え・・・・・・・・栗ですか?)」とか「めりぃ くりすます だぜよです☆」などという面白い中学生言葉(ヲタク言葉?)は、硬くなりがちだったり、マンネリ化しやすかったりするカードの文句に新風を吹き込んだようです。

(当日の様子と皆さんの作品はコチラ)

NHK「てれまさむね」の取材がありました!

てれまさむねの取材

活版の書籍をご紹介致します。

文字の母たち Le Voyage Typographique
港千尋著:インスクリプト刊:


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