活版印刷ワークショップ

smtデザイン講座 活版印刷 ワークショップ 活動記録

活版days vol.7 サマーカード(暑中見舞い)作り

 夏休みも中盤の8月8、9日、カッパンインサツワークショップが行われました。
夏休み中ということもあって今回は小学生のお子さんに多く参加していただきました。地下1階準備室に集合すると、さっそく棚一面に収まっている約20万本もの活字や、大きな印刷機にみんな興味津々。

 部屋を案内しながらぐるりと一周すると、小学生からするどい質問が飛びました。
「これはなぁに?」
彼女が指さすのは何のも文字も刻まれていない、鉛の塊のようなもの。
「良い質問ですね!」
「活字を組むというのは、文字の部分だけではなく、スペース(空白の白い部分)がとても重要なんですよ」
と案内役のsmt学芸員が説明。普段パソコンなどでばかり活字に触れるようになってきた私達にはとても新鮮な考え方です。

 ひととおり活版工房を案内し終えると次は6階に移動。
今回は6階ギャラリーで開催されていた「青葉縁日3 アッペトッペ遊技場」の会場でワークショップが行われました。夏の日差しが明るく差し込む6階で、さっそく実際の活字に触れてみます。

 今回も6月に引き続き初級編で、メッセージが入った組版に自分の名前を植えて印刷、サマーカードをつくりました。自分の名前の活字を組版に植えていく、という一見簡単そうに見えるこの作業ですが、これが意外と難しい。小学生はスタッフに手伝ってもらいながら一生懸命自分の名前を植えていき、夏らしく涼しげな青いインクで文字を刷り、たくさんの夏の便りが出来上がりました。

 参加者のとある女の子、出来上がったカードを見て驚いた様子。みると、名前の中の「く」という文字が逆さまに印刷されて出来あがりました。植える時に逆さまに植えてしまったことが原因なのですが、パソコンで打たれていく文字ではそんなことはまず起こりません。ひとつひとつアナログな作業だからこそ起きたこと、女の子には貴重な体験になったようです。

 9日のワークショップ終了後には小泉均氏によるレクチャー「タイポグラフィって何?」が開かれ、小泉氏が大切にしている本をご持参、小学生にも分かるような内容で噛み砕いてお話いただきました。身を乗り出すように話に食い入る小学生達と向かい合い、熱心にお話をしているさまは参加者達にも伝わったようです。
最近スローメディアということで話題になっている活版印刷、体験してみたいと思った方は是非今後のワークショップにご応募ください。


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