活版印刷ワークショップ

smtデザイン講座 活版印刷 ワークショップ 活動記録

カッパンインサツワークショップ中級編レポート

 12月12日、13日の両日。光のページェント点灯式のこの日。いつもはひっそりとしている地下1階の準備室に活気が戻っていました。カッパンインサツワークショップ中級編の日です。初級編を体験し終え、カッパンの魅力に惹き付けられた参加者が久しぶりにここに集合。気合い十分。各自趣向を凝らした原稿を手に自己紹介が始まりました。

 今日のワークショップは数時間で解版(使用した全ての活字を棚に戻す作業)まで行う為参加者もそれを支えるサポーターも大忙しです。まずは原稿を参考に膨大な活字の山から必要なものを探してくる文選をします。中級編では漢字も扱うためなかなか目当ての活字が見つかりません。文選を終えたらようやく植字に移ります。ここでは先ほど選んだ活字をクワタと呼ばれる空白用の活字を使って原稿通りに版に割り付けていきます。そして出来た版を印刷機にセットし、印刷!印刷の後は組んだ版をきれいにし活字を元の場所に。ミスがないようにきちんと元の場所に戻します。このワークショップの秘訣は「良い加減さ」と「厳密さ」の中間で進めることの様です。

 最後に刷り上がった作品をそれぞれ披露。マザーグースの「曜日唄」を印刷したIさんは全体が中央からずれてしまったことを気にされていましたが、二つの活字を組み合わせて作った囲み文字にはとても満足げです。もう一人のIさんも宮沢賢治の一節を添えて、太陽系の8つの惑星を色々な記号で表現されていました。活版のレトロな雰囲気が賢治の詩とあいまって面白い作品に仕上がりました。この2日間で更なる技術的進歩を遂げた参加者は、また次のレベルへと進んで行きます。昔ながらの印刷工程を体験できるカッパンインサツワークショップ、興味を持たれた方は来年また是非ご参加ください。

 活版印刷中級編参加者 Y.I


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