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このプロジェクトは、オーストラリアと日本のアーティストが、仙台という地方都市を舞台に、グローバル化の文脈の中で問われているローカルな文化的創造性を発見し表現するものです。
地方都市がローカルな文化を考えるとき、グローバリズムと明確に分離して、純粋で普遍的なものとして本質主義的に定義したり、またはグローバルに対抗するものとして、演劇的にロマン化したりする傾向があります。インターネットというグローバルな情報ネットワークの中で暮らし、高速大量の情報移送を可能にしているメディア・テクノロジーと日常的に関わっている私たちに求められているのは、グローバル/ローカルを個人の日常の範疇で相関するものとして捉えることではないでしょうか、そうして始めて現実的な課題として私たちに迫ってきます。
日豪交流年を記念したこの企画では、日豪それぞれのアーティストが仙台に滞在し、地域の人々との交流の中で、作品制作のための取材活動を行いました。このプロジェクトに参加するアーティストは、多様なメディアを用いながら、世界各地で場所性や地域性を強く意識した作品を制作・発表しています。彼らは、これまで仙台と直接関わりがあったわけではなく、白紙の状態から、それぞれの手法で仙台との関わりを具現化します。そうして表現された、映像/音響/写真など、デジタル/アナログをまたぐさまざまなメディアによる作品からは、グローバリズムの代理人であるアーティストが、どのようなローカリティを発見したのかが見て取れるでしょう。