せんだいアートアニュアル2005
出品作品情報
[10] 仙台団地探訪
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- 作家名
- 平田洋章
- 素材、材料
- 写真、木
- サイズ
- (90×180)
- 展示フロア
- 6階
- 作品の説明
- 公営団地に暮らすことが日本人のあこがれでもあった時代もとうに過ぎ、今では家賃の安さだけが魅力のように感じられるこれらの建物も、いつもと違った視線からその姿を見ると以外な面白さがある。戦後の住宅難の解決策として乱立したこれらの住宅は一見どれも同じような外観ではあるが、窓枠の形状や階段室の構造、配列など微妙に違うのである。工期の短縮や安価にするためにどれも無駄な装飾はほとんどないが、それが逆にシンプルで飽きのこない住みやすい空間になっている。そして私もこの昭和の空間に包まれたいとの思いで団地生活に足を踏み入れた。四畳半の部屋に座り柱の傷や15アンペアの配電盤を眺めていると当時どんな人がこの住宅のこの部屋で楽しい生活を送っていたのだろうと思いを馳せるのである。私の住む仙台の団地を巡ってシャッターを切るのが最近のマイブームになっている。チープな空間から生まれるノスタルジックで豊かな想像を生み出してくれるこれらの団地こそ私にとって至福の時なのである。
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