せんだいメディアテーク



メディアテークの日々の活動をお知らせします。

2014/11/29
記録と想起

3がつ11にちをわすれないためにセンター(わすれン!)は、震災に関する記録活動を支援し、その記録物を整理保管していくという公的なアーカイブ活動ですが、そこには、記録しえないものをどう記録するか、またデータでの保存や公開のかたちのなかに、制作現場の具体性をどう維持するか、という難しい課題があります。しかし、それらの不可能性をも引き受けながら、最終的にデジタルアーカイブとしてまとめることで、将来においても記録を見る人に想起を促す事が可能になります。さて、そのような「わすれン!」の活動の成果物を活用する展覧会「記録と想起・イメージの家を歩く」を現在開催しています。デジタルアーカイブに対して、展覧会は、モノのあつまりによって成るメディアだと言えますが、そうするとこれは、データ保存された記録を、時間や場所の制限のなかに解凍するように「戻す」作業と位置づけられるでしょう。データからモノへとメディアの形態を置きかえることによって、記録物のなかに、なんらかのかたちで保存された息づかいや熱意といった具体性を改めて取り出そうと試みています。
震災を記録し新たなる災害に備えることと同じく、震災がもたらした大きな価値観のゆらぎについて、メディアとの関わりのなかで、それは何であったのかと問い続けられるようにすることが、メディアテークの重要な役割であると考えています。
(K.S)

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  • 展示風景「車載風景2011.3.27 仙台ー塩竈ー仙台港ー仙台」木村グレゴリオ
    2014/11/19
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  • 展示風景「復元された新しい祭壇」佐藤貴宏
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  • 展示風景「福田十二神楽」岩崎孝正、窓の外は「沿岸部風景記録」藤井光
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  • 展示風景「紡ぎなおす住処ー残された母の母の話」川村智美
    2014/11/20
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撮影:越後谷出

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