ぼくにとって,バリア(壁)には,2つの意味がありそうだ。
楽しみたい壁と,作り替えたい壁の姿だ。
ぼくの好きなお店に限って,入り口には,なぜかいつも点字ブロックがない。
わかりにくい入り口,急な階段,頭上注意などバリアに溢れている。
料理はおいしいが,点字メニューはない。
ところが,バリアが取り除かれ,スッキリした空間には,おもしろみがない。どこも同じ姿をしている。
バリアフリーなところにしか入っていけないとしたら,人生の楽しさが十分の一ぐらいになってしまう。
入りにくいところをこじ開けて潜り込む。店の人や,周りの人を巻き込んで入場してこそ変化が起きる。
壁は,壁のままでいいのかもしれない。
取り除かれた方がいい壁とそうでない壁を注意深く見わけるのだ。
壁は壊さなくてもいい。
いろんな人を巻き込んで壁の向こう側に回り込んでしまおう。
壁そのものを楽しんでしまおう。
意識化され,楽しめる壁を「バリアコンシャス」と呼ぶことにしよう。
一方で,壁を楽しいものに作り替えてしまいたいという夢もある。
誰もが使いたくなったり触りたくなったりするものをデザインしたい。
今回は,自販機でそれをやってみよう。
この展覧会では,光島の生活をなぞりながら,体験してほしい事柄をたくさん用意している。
しかし,見えない人が,器用に生きているとか,がんばって生きていると言うことを感じてほしいのではない。
日常の空間を広げたり,ずらしたりして,バリアの裏側に回り込み,おもしろい空間を見つけてほしいのだ。
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