トイレに行けない

コタロウがゲロ吐きながらトイレで寝てしまったのでトイレに行けません。さっきから意味不明なことをなにか言うとる。大丈夫かな。

こんなに酔うのは珍しいが、コタロウは昨日着いたばかりだが今日はもう飲みに行ってて、いやもう、こんなことはいままでなかった。展覧会オープン前に飲 みに行くことは、これまでほとんどなかった。山口でもほとんど行けてないもん。それで、「うわー、今回は珍しいですね!」とかなんとか喜んで飲んでて、 この有り様や。

いやしかし、余裕があるとかいうわけじゃないのです。まだなにするか肝心のとこが決まってないし。でも今回は実に考える作業が多い。みんなが作業してる 横で、僕はどーしよーかなーと考えてる。

あと、まだ現場じゃないというのが大きいのかも。今回、建築系の人と一緒にやってて新鮮なのは、「スタディ」という概念がある、ということ。僕は一発即 興本番でなに出せるか、というとこでこれまでやってたんだということがよくわかります。僕の場合、いきなり本番でトライをやる。エラーの出るリスクを、 経験から予想して、イケると判断した場合は、そのままいってしまう。これまでたくさん失敗してるから、判断の精度は上がってきてるけども、それでもかな りのリスクを背負ったまま本番に突入することに変わりない。スタディなんて地に足着いたことができる人はえらい。

建築の人は、いろんなシミュレーションをした上で制作に入るんだなーと思いました。でも、僕も頭の中でシミュレーションはやるから(一瞬考えるだけだけ ど)、なにが違うんだろうと思ったら、僕の感覚というのは、舞台の大道具の経験から来てるんだと思いました。僕は学生のときから足掛け8年くらい、京都 で大道具のバイトをしていたのです。

舞台のセットは、「最低限この構造があればつぶれない」を前提としてやってるのと、お客さんから見えるとこさえきれいに仕上がっていればいいから、無駄 を徹底的に省く。終わったあとはバラすから、バラしやすいように作る。バラしたあと、使えるものは何度でも使う。あと、仕事のサイクルが早いので、舞台 さんはむちゃくちゃ仕事が早い。そらもう、びっくりするくらい効率的に仕事が進んでいくのです。(職人だということかな。あ、でも職人の驚くべき身体感 覚についてはまた別に考えたい。)

美大の工芸科にいて、大道具のバイトをしているというのは、いま思えば引き裂かれるような経験だったのかなあと思う。
コタロウがなんかまた発声したので、おやすみなさい。

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