Edge in Sendai
〜映画の言葉、詩の眼差し〜

シネマトグラフ篇(7階スタジオシアター)

11月21日(金)

18:30〜19:00 「HOTEL CHRONICLES」
ポイエーシス:野上亨介+西原多朱 出演:青山真治+菊池信之 (30分)
「Helpless」や「EUREKA」(2000年カンヌ映画祭国際批評家連盟賞)で世界的な評価と支持を得る青山真治。無名時代から親しい宮岡秀行との「密談」を通じ、その信念と映画への愛を語る。録音を担当する菊池信之や、影響を受けた映画批評家・安井豊などへのインタヴューも交え、西原多朱のスタテイックな画面と、野上亨介ならではのロジカルでコミカルな構成で、青山真治の「現在」を鋭く抽出する。
19:00〜20:00 「母モニカ〜for a film unfinished」
ポイエーシス:三好暁+宮岡秀行 出演:三好暁+中根以久美ほか (58分)
安定した制作基盤を持たないインディペンデントの映像作家は、どのように創造に立ち向かうべきなのか? 在学中に制作した「シアワセの記号」が1999年PFFで受賞した三好暁が、「Celebrate CINEMA 101」の宮岡秀行と合作した本作は、観る者に大きな衝撃を与える。合い言葉は「シアワセになろうね」。変貌を遂げる若い母性の姿を通じ、現実と虚構の葛藤を描く。
20:10〜21:20 トーク「人はなぜ、正面を見るのか」
出演:宮岡秀行・城戸朱理・小川直人

11月22日(土)

11:30〜12:00 「きみはヒロシマで何も見なかった〜第一章(Tu n'a rien vu a Hiroshima - chapitre un - )」
監督/立案:諏訪敦彦 出演:諏訪敦彦+竹岡尚子ほか (30分)
「2/デュオ」「M/OTHER」(1999年カンヌ映画祭国際批評家連盟賞)などでフランスを中心に世界的な評価を受ける諏訪敦彦。アラン・レネ監督「ヒロシマ、モナムール」を再構築した新作「H story」(2001年カンヌ映画祭ある視点部門招待)の"創造のふるさと"を追う。マラパルテと共に制作された、ヴィデオ・シナリオ「Hiroshima/私の愛する人…」をベースに、作品完成後に語られた監督自身のモノローグも交え、更に発展させた作品。
12:00〜12:45 「飛之夢〜fly fly away」
ポイエーシス:西原多朱+宮岡秀行 出演:芒克(まん・く)+李纓(り・いん)ほか(45分)
デヴュー作「2H」(1999年ベルリン映画祭NETPAC賞)で高く評価された期待の新鋭監督・李纓。最新作「味」は各国の映画祭に招待され、テオ・アンゲロプロスやマーティン・スコセッシらに絶賛された。本作は李の未公開の劇映画「飛呀飛(フェイ ヤ フェイ)」(2001年ベルリン映画祭フォーラム部門招待)を追った中国ロケ。著名な詩人・芒克ら出演者へのインタヴュー、李が暮らす東京で撮影されたミレニアム前後の日本の光景が複雑に絡まり合う。
12:55〜13:40 「Video is our poet's stubby pencil...(ヴィデオはわれわれ詩人のチビた鉛筆だ)
監督:宮岡秀行 出演:河村悟+宮岡秀行 (46分)
スタジオ・マラパルテが瀬戸内海の孤島、鷺島を舞台に遂げてきた活動「鷺ポイエーシス」と呼応するように、今後の新たなポイエーシス(制作)の方向性を指し示す作品。ゲストの詩人・河村悟と共に、映画の原初的な風景を作り出す。そこに去来するロブ・ニルソン、諏訪敦彦、J=P・ゴランらゲストのイマージュ。映画の原野ともいうべき白いスクリーンの謎を「映画の言葉と詩の眼差し」で探検する。
13:40〜14:10 「今、海はあなたの左手にある(La mer est a votre gauche en ce moment)」
ポイエーシス:安藤尋 テクスト:マルグリット・デュラス『大西洋の男』 (30分)
今、最も期待される監督の一人、安藤尋。最新作「blue」は、市川実日子(2002年モスクワ映画祭最優秀女優賞)が主演、女子高生の揺れ動く心を端正に描く。本作ではマラパルテと共に、撮影から1年後のロケ地・新潟を訪れ、主人公らが残した足跡を追い、「blue」の原風景を映し出す。風景に重なるデュラスは、安藤が「blue」のパラ・テクストとしてたえず読んでいたもの。パリ在住の詩人・尾山裕子の朗読がその言葉を現前させる。
19:30〜20:40 「Celebrate CINEMA 101」(デジタル・リマスタリング版)
監修:宮岡秀行+織田要 参加:ビクトル・エリセ+ジョナス・メカスほか(1996/2001/58分)
宮岡秀行の処女作。映画生誕百年の1995年秋に世界各地を巡り、マルコ・ベロッキオ、ビクトル・エリセ、ロバート・クレイマー、青山真治、ジョナス・メカス、ロブ・ニルソン、アレクサンドル・ソクーロフといった錚々たる映画作家たちに、いま映画を撮ることの意味を問う。「この独創的な企画は、既に国際的なニュースとなっている」と蓮實重彦に絶賛され話題を呼んだ。2002年、トリエステでの「ヨーロッパ芸術祭」で最新決定版を特別上映、アラン・タネールやミリアム・メジエールに絶賛された。