メディアテークひと言メモ|せんだいメディアテーク

せんだいメディアテーク



せんだいメディアテークをもっとよく知るためのさまざまな情報を、 副館長/企画・活動支援室長、佐藤泰がお届けします。

18「記憶を共有する場」

 私たち一人一人の考えや記憶は、何らかの形で誰かと共有しない限り、それぞれの死とともに永久に失われます。これほどに記憶がもろいものであるにもかかわらず、何万年にもわたって人類が文化を伝え育てることができたのは、私たちに組み込まれた、孤立を恐れ常に他者と繋がろうとする欲求のおかげかもしれません。私たちが続ける日々の会話はもちろん、教育や学習、表現や鑑賞などといった他者とのコミュニケーション活動は、同時に社会の遺伝子として私たちのアイデンティティを守り続ける役割をも担っていたと言えるでしょう。それが今、情報技術のかつてない変革の中で、これまでの私たちの記憶のありかたにも大きな変化がもたらされつつあります。従来は一定の規模でしか成立しえなかったコミュニケーションが、あっというまに地球規模に広がる可能性を持ってしまったことの功罪と、そのことへの対応の難しさはあらためていうまでもありません。
 メディアテークのような地域の公共機関こそ、私たちの社会にとって大切な記憶とは何かについて、利用者とともに正面から考えていく必要があるでしょう。そしてさらに大切なことは、来るべき新しいコミュニケーションとそれによる記憶のありかたが、特別な技術や力に依存するようなものではなく、私たちの普段の活動にしっかりと根付いたものとして定着していくことではないでしょうか。今私たちがおかれている情報環境の中で、大切な記憶を共有していくための活動拠点となること、それがメディアテークのアーカイブ事業のもっとも大切なコンセプトであると考えています。

(2008/12/01)


  • 人の記憶をアーカイブする試み、ワークショップ「仙台八景」
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  • 情報技術がバリアを超える
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  • スタジオで待機中のパソコン
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