メディアテークひと言メモ|せんだいメディアテーク

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せんだいメディアテークをもっとよく知るためのさまざまな情報を、副館長/企画・活動支援室長、佐藤泰がお届けします。

29「砂に描いた作品」

メディア芸術という言葉をこのところさかんに耳にします。文化庁のホームページによると、メディア芸術とは「映画、マンガ、アニメーション、CGアート、ゲームや電子機器等を利用した新しい分野の芸術の総称」とされています。手描きのマンガを除けば、概ね新しい映像・情報技術を使った表現のことをさしているようですが、新しい領域であるだけにその定義にはさまざまな議論もあります。そもそも視覚表現による作品は古今東西、すべてなんらかの媒体(メディア)のうえで成り立っていますから、そのメディアを新旧で判断するのはなかなか難しいのです。鳥獣戯画や北斎漫画などの伝統をもつ日本のマンガなど、もっとも判断の分かれるところでしょう。
ともあれ、急速に発展した情報技術を使う新しい表現は、新鮮な驚きやかつてない感動をもたらすだけでなく、いつでも誰でも簡単に表現したり鑑賞することを可能にしてきました。その一方で、無限に複製や引用が可能であることでオリジナルという考えかたが揺らいだり、作品を支える技術や資源が「水もの」のように変化することで、まるで砂の上にいた絵のように再現不能になってしまったりなど、作品のありかたや扱いかたがこれまでとはだいぶ違うことによる混乱も少なくありません。メディア芸術がなんであるかはともかく、新しい表現への挑戦の支援や、それをめぐる新しい課題の調査や対策の提言は、メディアテークのような公的機関の大切な役割と言えるでしょう。

(2009/11/03)


  • エキソニモ<<Object B vs >>
    エキソニモ << Object B vs >>
    (「青葉縁日2」出展作品)
  • 高嶺格<<God Bless America>>
    高嶺格<<God Bless America>>
    (高嶺格「大きな休息 明日のためのガーデニング1095㎡」出展作品)

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