メディアテークひと言メモ|せんだいメディアテーク

せんだいメディアテーク



せんだいメディアテークをもっとよく知るためのさまざまな情報を、副館長/企画・活動支援室長、佐藤泰がお届けします。

32「ウチはソト、ソトはウチ」

「鬼はソト、福はウチ」節分の豆まき、日本育ちなら一度はやったことがあるはずです。災いを遠ざけ、福を呼び込むかけ声はとてもシンプルですが、あらためて考えてみると鬼たちが追われていくソトってどこなのか気になります。とりあえず豆を投げた人にとってのウチではない所ということになりますが、そうなると他の人にとってのウチか、誰にも属さない共有のウチか、それ以外の場所ということになります。今どき、誰にとってもソトである場所は存在しないことを考えると、自分のウチからだけ鬼を追い出す行為はまわりから見れば迷惑行為、鬼の不法投棄といわれてもしかたありません。さてフロア内にほとんど壁がなく、部屋とか通路とかの区別もないメディアテーク。人びとは活動の単位ごとに集まりその都度大小の活動の輪を作ります。そこではその輪が集まっている人にとってのウチです。そこに携帯電話がなると、あわててその輪から外に出て電話をとりますが、実は多くの場合ソトだったはずのその場所が、他の活動者の輪の中だったりするのです。こっちの人はあっちで電話をとり、向こうの人はこっちに来て電話をとる。メディアテークならではの奇妙な光景でもあり、エチケットに関するトラブルの原因ともなっていますが、ひるがえれば私たちにとってのウチとソトを考える上でとても興味深い場所とも言えるのではないでしょうか。とりわけ現代人は、メディアを使うことで目に見える輪だけでなく、時空を越えてさまざまな輪を作り、それらが複雑に絡み合うなかで生きています。そんな現代人のウチとソトの縮図がメディアテークの中にあるのかもしれません。

(2010/02/01)


  • オープンスクエア

ページトップへ