せんだいメディアテーク



せんだいメディアテークをもっとよく知るためのさまざまな情報を、副館長の佐藤泰がお届けします。

37「視聴覚教材」

映像を使った日本の視聴覚教育は、第二次大戦後のアメリカによる民主主義教育とともに始まったということができます。アメリカの文化や生活スタイルが16ミリフィルムに焼き込まれて全国に配布され、学校教育や社会教育の現場でさかんに上映されたのです。その後文部省の主導により各地に視聴覚教材センターがおかれ、娯楽ではない教育目的の教材フィルムと映写機材を学校や社会教育施設に提供するサービスが本格化しました。しかし日進月歩のメディア技術は、各地の教材センターのあり方や存在意義にもさまざまな変化をもたらし、仙台市の教材センターも、メディアテーク開館とともにその業務をメディアテークと教育委員会に引き継ぐかたちで廃止されました。こうしてメディアテークに引き継がれた視聴覚教育の伝統は、2階の教材ライブラリーに脈々と受け継がれています。さまざまな時代背景や技術の変化に翻弄されるかたちとなった視聴覚教材。さすがに学校教育の現場で活用される機会は少なくなりましたが、残されたフィルムや映写機の数々は、今やむしろ貴重な文化史資料として新しい輝きを放ち始めています。

(2010/07/01)


  • 16ミリフィルムの視聴覚教材"
    16ミリフィルムの視聴覚教材料
  • 使用後には日々フィルムチェックが行われています"
    使用後には日々フィルムチェックが行われています

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