せんだいメディアテークをもっとよく知るためのさまざまな情報を、副館長の佐藤泰がお届けします。
43「メディアカプセル」
印刷、録音、映画、電話、無線など、技術の進歩とともに、私たちのコミュニケーションすなわち文化のあり方が大きく変わってきたことはみなさんご承知のとおりです。近年その変化のスピードはますます速くなり、私たちの身の回りには使われなくなった情報機器が山のようにあふれ出すようになりました。これら使えなくなったものたちを見ながら、果たして私たちはこれらを十分に使いこなした上でこうして捨てているのだろうかという疑問がわいてきます。特定の技術に依ってたつメディアには、それぞれの個性に応じたノウハウが育ちます。そのノウハウは、本というメディアに関する膨大なノウハウがそうであるように、ひとつの文化を形成しているといっていいでしょう。それらを次々と捨てる私たち。メディアテークの地下には、使われなくなった活版印刷機やそのための活字が並んでいます。それを使ってその技術に蓄積されたノウハウを学ぶワークショップを行っています。それと併行してアナログオーディオやフィルム映像などの古いメディアに関するワークショップも増やしていく予定です。そしてその地下室を、私たちはタイムカプセルにちなんで、メディアカプセルと命名したいと思います。今後ともごひいきに。(2011/01/31)
ハイデルベルグ社活版印刷機
LPレコードプレーヤー