仙台八景ブルース



音楽による記念碑(以下、音楽的記念碑と記す)を計画するために、必要な要素は何か考えましょう。また、「念い」の表現を形作る要素の関係について考えましょう。
●音楽的記念碑の要素
  1. 記念事項
  2. 表現者(作者則ち参加者自身、または 架空の表現者)
  3. 制作(作詞→作曲→演奏)
  4. 観衆(+広報)
  5. 作品
  6. 鑑賞

●「念い」の表現を形作る要素

記念事項(1)を何らかのかたちで体験した表現者(2)があります。表現者(2)は制作(3)を通じて作品=音楽的記念碑(5)を観衆(4)に広報を通じてそれを知らせ、味あわせ(鑑賞、6)ます。
さらに以上の要素について一つずつ考えてみましょう。
1)記念事項の着想について
言うまでもなく、これは音楽記念碑を制作するために最も重要です。そしてこの事柄の吟味は十分になされなくてはなりません。その事柄、ここでは記念事項と記します。記念事項の価値を吟味しましょう。記念事項は実在した事でも良いし、実在しなかったフィクションでもかまいません。楽しい事でも悲しい事でもかまいません。具体的であることが重要です。
何時、何処で誰が、誰に何をしたか、それを誰が誰の視点で何のために語るか、それらのことが明確であるべきです。
またその価値も、見方によって変化します。

1ー1)まず、記念碑計画者にとっての価値。
1ー2)次に、記念事項当事者、あるいは体験者にとっての価値。
1ー3)さらに、その記念碑を鑑賞する受け手、観衆、市民、その記念碑にかかわる可
能性のある第三者にとっての価値。
以上3つが少なくとも考えられるべきでしょう。

音楽的記念碑計画者と音楽的記念事項当事者、体験者が同一人物である場合もありますし、そうでないばあいもあります。
価値は肯定的なこともあれば否定的な価値もあります。素晴らしい事もあれば悲劇的なこともあります。
音楽的記念事項が悲劇的、悲惨であっても、音楽的記念碑演奏が立派な行為である場合があります。例えば鎮魂歌などの例を考えてみましょう。

またフィクション(虚構のお話し)を作るにしてもさまざまな方法があるでしょう。
例えば記念碑を建立したい場所、つまり演奏したい場所をよく調べ、また、よく見て読み、そこから物語を引出し目に見える形にする。
また、それに関わった架空の人物を創作して、その人物の体験という形にする方法もあるでしょう。

記念事項を考えるとき、下記の事柄について考えられます
*事実
*架空の出来事
上記のそれぞれの場合について、当事者、観察者、伝聞した者、間接的関係者

●音楽制作について

1−1)歌詞について
1−1−1)7・5調にする
1−1−2)その他の韻文
1−1−3)自由な散文にする
1−1−4)両者を混ぜる
歌詞は誰によって語られるかたちにするかも考えましょう。
記念事項がどのような視点から捉えられそして語られるのかということを明確にする必要があります。実在の人物でも架空の人物であっても良いでしょう。
例えば、記念事項の当事者、観察者、伝聞した者、間接的関係者、その他など

1−2)記念碑の銘文、碑文にも相当する言葉書き、解説についても考えましょう。

何か言葉を書き込むかどうか、どんな言葉にするか考えなくてはいけません。
歌詞は簡潔であるべきです。歌詞で語りきれない事は他のかたちで語る必要があるでしょう。
以下のようなスタイルが考えられます。
1−2−1)歌詞の中に組み込む
1−2−2)台詞
1−2−3)(曲と解説に関する言葉は)別にする
1−2−4)司会者の演説、として語る
1−2−5)記される言葉として考えられるもの

1−3)歌詞の中に組み込まれるべき事柄 
には以下のことがらが考えられます。

1−3−1)「記念事項」の記述
1−3−2)音楽的記念碑制作演奏の理由、その「志し」
1−3−3)音楽的記念碑企画者の氏名
1−3−4)制作者演奏者の氏名
1−3−5)制作演奏年月日
1−3−6)その他色々
1−3−7)これら全てが書き込まれる必要があるかどうか考えましょう。

次にいよいよ音楽的記念碑を作曲しましょう。

2)作曲について

2−1)まずはイメージを浮かばせてください。

歌詞の内容と照らし合わせて、明るい曲想にするのか、暗い曲想がよいのか。悲しい歌詞の内容だといっても、わざと明るく歌ってしまうこともありです。自由な発想を期待します。

2−2)イメージが浮かぶと、頭の中にメロディーが流れてきませんか?

それを声に出して歌ってみましょう。
鼻歌でも結構です。一曲丸々じゃなくてもいいんです。ワンフレーズづつ、1小節でも結構です。常に録音しましょう。録音しておけば忘れてもまた思い返す事ができます。今日歌ったものが、明日になれば違った感じに聞こえてきます。煮詰まったらまったく別の感じで最初から考えてみるのもよい事です。
メロディーが浮かんだら録音して聞き返す。これを繰り返し行ってください。

2−3)メロディーも何も浮かばない場合もありますか?

その時は、曲の枠組みを先に決めましょう。
どういうことかというと、まずスタイルを決めます。いろいろなジャンルの中から好きなスタイルを選びます。
たとえば、ワルツがいいとかブルースにしようとか、演歌がいいなとか、やっぱり、ロックにこだわりたいなど自分が歌いたいスタイル(もちろん歌詞との相性も考えてください)を選びます。

※例えば
歌謡曲、ポップス、演歌、ブルース、都々逸、さのさ、小唄、端歌、ハワイアン、ヨーデル、カンツォーネ、シャンソン、浅草オペラ、浪曲、民謡、サンバ・ボサノバ・マンボなどのラテン音楽、クラシック・ジャズ・ロック・音頭踊りなどなど。
また、目的による分類から考えてゆくこともできます。
例えば、校歌、国歌、コマーシャルソング、アニメソングなど。テーマに合った表現を考えましょう。

2−4)次に、テンポを決めます。曲の速さです。ゆったりがいいのか、アップテンポのノリノリがいいのか?これも歌詞の内容と相談して決めましょう。

2−5)スタイルとテンポが決まったらそのリズムを頭の中でうたいながら、メロディーを思い浮かべます。

2−6)既成の概念にこだわることなく、まったく自由な発想で思いつくまま気の向くままに自分の言葉を自分のメロディーにしてください。


3)演奏について

何処で演奏するか考えましょう。
その場所と記念事項、音楽記念碑との関係、そして演奏方法を現場の地図や写真を参考にし、また実地検証などしながら考えてください。
広場や音楽堂で演奏するばかりが記念碑ではありません。
例えば人が集まるところ。
駅など交通の要所、酒場、茶店、規模店鋪、開かれているけれど人も通わぬ山の中、個人の家など閉ざされた場所なども候補地にあげられます。

また、生演奏でない場合も考えましょう。生演奏が最良の表現と思いますが、事前に演奏を録音しておき、カラオケのようにして表現する方法もあります。

スピーカーの設置に付いて考えましょう。
3ー1)壁や電柱に架ける。
3ー2)地中に埋めて、地の底から聞こえるようにする。
3ー3)海や池に沈め、水底から聞こえるようにする。
3ー4)その他
音量、高低で効果意味も変わります。

設置方法も表現言語なので記念事項に見合った適切な(現実的な)方法を考えましょう。
また、演奏場所の景観、環境との噛み合いも重要です。

演奏環境を記念したようなものは勿論、そうでないものもその環境との調和あるいは不協和音的調和など、よく吟味しましょう。
その音楽的記念碑を建立(演奏)する事によってその環境や景観が完成した、あるいは完璧なものになったと思えるような方法を考えましょう。
また、演奏に許可が必要な場合はあらかじめ解決しておきましょう。

4)観衆・演奏
観衆と演奏は切り離して考えられません。誰に対して完成した曲をきいてほしいか考えましょう。
4−1)広報も考えましょう。ちらし、ポスター、dmなど。
4−2)作品
出来上がった作品についてかんがえましょう。
4−3)鑑賞

とりあえず、ここまで思い付く事をのべました。考えて、制作し、演奏することの主催者は参加者の皆さんです。だって自分が一番面白いと思うことを歌にしようと言うのですから、誰でも一生に一曲ぐらいは珠玉の名曲が創れても良いじゃないですか!

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