2014年11月16日更新

ギャラリーツアー 第1回


展覧会がオープンの翌日、11月16日に第1回目のギャラリーツアーを行いました。

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今回のツアーはメディアテークの鷲田館長と、甲斐室長がホストをつとめましたが、設営時から滞在していた参加作家やデザイナー、空間設計の方々なども集まってくださり賑やかにスタートしました。

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▲参加作家の酒井耕さんの部屋。ここでは、酒井さんと濱口竜介さんが共同監督で制作した東北記録映画三部作のうち、『なみのこえ 気仙沼 』の映像素材から再構成した映像を撮影時のカメラ位置を再現して紹介しています。実際の撮影もこのように日常空間のなかに巨大なカメラを持ち込んで行われたわけですが、カメラの持つ暴力性を隠さずにどう撮影空間に活かしていくかという話が酒井さんより話されました。

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▲参加作家の瀬尾夏美さんの部屋。瀬尾さんは、震災後に岩手県陸前高田に拠点を移し、写真、絵画、文章で陸前高田の人々と風景を記録してきました。もともとこの土地に住んでいたわけではなく、他所から移り住んで来た者として、その土地にずっと暮らしてきた人々が見てきたこの町の<美しさ>を何度も話を聞き取りながら丁寧に起こしてきました。その軌跡としてのスケッチやメモなどをこの部屋でみることができます。

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▲また隣の部屋では、瀬尾さんと一緒に陸前高田に拠点を映し、映像で記録を重ねる小森はるかさんとの共同制作の映像作品が3つが紹介されています。これまでさまざまな手法で映像記録をおこなってきた小森さんと瀬尾さんですが、今回は、聞き取りをし、語られたことをもとに瀬尾さんが文章を書き、語ってくれたご本人の映る映像を小森さんが撮影し、ご本人の声でナレーションを入れてもらうという方法で作品を仕上げています。高田の方々との共同作業の様子が浮かび上がってくる映像です。

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▲細谷修平さんの部屋です。ここでは、大阪に住むダンサーの砂連尾理さんが、友人の佐々木大喜さんに会うために仙台に訪れ、言葉以外のことで対話を試みる映像が紹介されています。撮影時が12月だったこともあり、寒空のなかコートも着ずに外に出た細谷さんが急にはじまるふたりのやりとりを、震えながらカメラで捉えたエピソードなどが、白い息の混ざる映像とともに紹介されました。

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すべての部屋を周り終えたあと、質問や意見交換をしました。

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鷲田館長からも投げかけられた「震災の記録をなぜこのような日常空間に配置していったのか」という点に関しては、次回、紐解くことになりました。

ギャラリーツアー第2回は参加作家の岩崎孝正さんと川村智美さん、メディアテークの清水建人がホストをつとめます。


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