せんだいメディアテーク



メディアテークの日々の活動をお知らせします。

2010/11/28
開館10周年事業を貫くもの

開館10周年を迎えるメディアテークの記念事業も折り返し地点を越えました。 展覧会&アートプロジェクト・上映・トークセッション、一見ばらばらに見えるこれらの企画、根底では大きな問題意識でつながっています。
私たちが社会的な生活を営み、また他者とコミュニケーションをとる際に不可欠なもの、「メディア」。改めて、その「メディア」の意味と作用について考えるとともに、ひいては「せんだいメディアテーク」というメディアが社会の中でどのような意味をもち、またどのような役割を担うことができるのか。そのようなことを考え、発信しようとしています。

今回の事業で取り扱うメディアは多種多様です。
「いま、バリアとはなにか」のメイン会場である小山田徹さんと藤井光さんによる展示は前回のダイアリーでも触れました。そして、北川貴好さんは、メディアテークの建築物をメディアととらえ、ダイナミックな作品プランを実現しました。フォルマント兄弟は、祭りや音楽・踊りといった社会の中で旧来から重要な役割を果たしてきたメディアの作用について触れ、全盲の美術作家・光島貴之さんは、視覚メディアに偏重しがちな私たちの感覚を揺さぶります。栞プロジェクトの港千尋さんは電子書籍に注目が集まる中、物としての本というメディアに注目しています。
さらに、上映事業「ことばをこえて―映像の力」では、時に言葉よりも強い影響力を持ち得る映像メディアのありかたをさまざまなアプローチで探っていますし、トークセッション「コミュニケーションの未来へ」では、それらメディアによって支えられるコミュニケーションについて、多方面で活躍のかたをゲストにお招きしてじっくりとディスカッションを深めています。

「メディア」ということばは、なんだか抽象的でとてもとらえにくいものではありますが、これらの企画を通じて、少しでもメディアテークが探り、触れようとしている「メディア」のかたちを感じとっていただければと思います。
そして、アーティストや第一線で活躍するかたがたの表現やことばは、知らぬ間に縮こまってしまっている私たちの頭と心を、気持ちよくストレッチし、開放してくれます。会期は残すところあと1カ月弱、未だ開館10周年事業を体験していないかたも、ぜひ、せんだいメディアテークに足を運んでみてください。


(T.H)

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