せんだいメディアテーク



メディアテークの日々の活動をお知らせします。

2011/10/22
コール&レスポンス 自己表現としての展覧会

自分や知人が作った作品を集めて見てもらうことは展覧会の1つの形です。では、それ以外の形は?自分と直接関係の無い人の表現や資料を集めるには、なにか拠り所にするテーマが必要になるでしょう。そして、表現や資料は、そのテーマを伝えるために展覧会の場に置かれることになります。勿論、それ以前に、あるテーマを多くの人に知ってもらいたい、伝えたい、と考えるところからはじまります。展覧会をするということは、それ自体が表現なのです。そして、この「コール&レスポンス」は、自己表現の1つとしての展覧会企画を実践するプロジェクトです。
展覧会を企画構成することをキュレーションといい、それをおこなう人をキュレーターといいます。コール&レスポンスの参加者は、これからおこなっていくキュレーションのために、3人のキュレーターから展覧会を企画する意思について実例に基づいた話から学びました。また、「考えるテーブル」のなかでおこなわれている、志賀理江子レクチャーと、てつがくカフェから、アーティストの思考を知り、私たちの現在の社会的課題について考えてきました。このように参加者には7月からいくつものレクチャーを聴講してもらいましたが、11月からは、いよいよ個人のテーマを発表していきます。そして、個人の主張は、参加者全員のなかに投じられ、集団として1つのテーマを練っていくことになります。
展覧会はいつも鑑賞するだけのものではありません、メディアテークでは展覧会をつくることも可能です。ただし、それは企画者としての責任も同時に負うことになります。ですから、今後はさまざまな難しい課題も顔をのぞかせるでしょう。そのうえで、私たちがこのような事業を実施した背景には、アートやメディアについての専門性をもとにメディアテークが主催する企画事業と、メディアテークの施設を利用して実施される催しの間に、いつの間にか隙間ができていたのかもしれないという反省があります。「コール&レスポンス」のプロジェクトが成功すれば、自主企画事業とも貸出利用とも違う第3のメディアテークの利用のかたちが生まれるかもしれません。それはわすれン!(*)と同じく修復後の7階スタジオのモデルとして、メディアテークの新たな胎動の核となるはずです。

(K.S)
*わすれン!…3がつ11にちをわすれないためにセンター

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